原口救った代打で同点犠飛 執念ドロー

 「阪神3-3巨人」(28日、甲子園球場)

 金本阪神が執念ドローだ。敗戦寸前の九回1死二、三塁、代打で登場した原口文仁捕手(24)の中犠飛で同点に追い付いた。27日の支配下登録即、プロ初安打から2日目。今度はプロ初打点で、巨人戦同一カード3戦連3連敗を阻止した。若虎の奮闘が、雨上がりの甲子園を熱くした。

 土壇場の同点劇をつくり上げたのは、支配下登録2日目の原口だった。肌寒い甲子園がその瞬間、熱気に包まれた。「全く記憶にないですね」。地鳴りのような歓声を体中で感じ、震えた。延長十二回引き分けも、土が付かなかった。「最低限の仕事はできました」と胸を張った。

 1-3で迎えた九回。ゴメスのソロで1点差に詰め寄ると、チームの士気はグッと上がる。北條、大和、江越がつなぎ1死二、三塁。この日も新ユニホームが間に合わず、山田2軍バッテリーコーチの背番号82を着た原口が代打で登場。「真っすぐに振りまけないように」と沢村の直球に絞り、フルスイングした。打球は高々と中堅に舞い上がり、立岡が捕球。三塁から北條が生還した。

 延長十二回無死一塁では「打つ気満々でいきました」と打席に入ったが、サインはバント。マシソンの外角高め直球を一発で決め、仕事を果たした。「いい緊張感の中でやることができました」。金本監督は、同点犠飛に対し「(初球から打って)ええ根性しとるよ。犠飛と言えど、1軍経験のほとんどない選手が、なかなかあそこで打てない。そういう度胸を買ってあげたい」と賛辞を送った。

 平田チーフ兼守備走塁コーチも、原口の活躍に感慨深げだ。09年ドラフト6位で入団した当時、同コーチは2軍監督を務めていた。「あいつはすごいよ…」。目元は、少し潤んでいた。

 「野球に真摯(しんし)に取り組む姿勢が素晴らしかった。1年目の(2軍戦)初ヒットはナゴヤ球場だったよな?覚えているよ。何度もケガをしたけど、途中で投げ出したりは絶対しなかった。ファームにいる選手にも刺激になるよな」

 日が傾き、泥だらけになるまで白球を追いかけるその姿をじっと見つめてきた。「あいつの場合は技術的なことよりも、精神的なところなんだよな」-。育成選手という立場に焦りを感じ、度重なるケガにも苦しめられる。それでも、バットを振ることをやめなかった。「文(ふみ)ー。ええやないか!」。2軍監督として、言葉をかけ続けた。「野球の神様は、見てくれているんだよ」-。

 原口は延長十回からマスクをかぶり、マテオと安藤の粘りの投球をアシストした。「お客さんの声援がすごかったです」。緊迫した試合の中で、扇の要としても仕事を果たした。

 チームは今季2度目の同一カード3連戦3連敗を免れた。その立役者は、まだ支配下2日目の若武者だ。新生タイガースは、まだまだ進化していく。

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