ドラ1高山に長打も期待 掛布2軍監督

 阪神・掛布雅之2軍監督(60)が20日、今年初めて鳴尾浜を訪問し、自主トレ組を視察した。中でも、ティー打撃を見守ったドラフト1位・高山俊外野手(22)=明大=のスイングを絶賛し、その長打力について言及。生え抜きの大砲不在という長年の課題解消に向けて、大いに期待を寄せた。

 通算349本塁打の大打者が、一瞬にして虜(とりこ)になった。黄金ルーキーが見せた美しいスイング、スピード、力感…。その全てに目を奪われた。他の選手の視察も合わせて、室内練習場には約1時間滞在。ただ、眼福の時は、それほど長くは感じられなかったはずだ。

 「1位の高山はバランスがいいね。レベルスイングができているし、バットの軌道もいい。大学では(東京六大学リーグの通算)安打記録を作ったそうだけど、見た瞬間、安打だけじゃない。もっと長打も期待できる(と感じた)。ヘッドのスピードもあるしね。びっくりした」

 前評判はもともと高かった高山だが、初めての視察で目にしたのは、予想を大幅に上回るもの。収穫ありとばかりに言葉が弾んだ。うれしい誤算。そして、同時に猛虎長年の課題を払しょくする可能性も感じ取った。

 球団の生え抜き選手でシーズン30本塁打以上を記録したのは、85年の掛布(40本)、岡田(35本)が最後。金本監督も昨秋の練習で、自前の大砲育成の必要性を説いていた。そもそも高山自体、ドラフト直前に金本監督が自ら長打を打てることを確認した上で獲りにいった選手。必然的にその背中には年間30発の期待がかかる。

 掛布2軍監督は、この日が高山と初対面。グラウンドで握手を交わした後、手術した右手首の様子を尋ねた。「そんな痛みもなさそうだったし、ケガは心配ないのかなという感じだった」。それでも、調整を急がせる気はない。高山のキャンプが1、2軍のどちらになるかについては「金本監督がどう決めるかだから。どういう振り分けになるかは分からない」と話すにとどめた。

 阪神が最後に日本一に輝いたのは、くしくも掛布、岡田らが大活躍した85年が最後。長らく生え抜きの大砲が不在だという事実と無関係ではないようにも映る。積年の憂愁に終止符を打てるような逸材を目にしたからだろうか。帰路に就く掛布2軍監督の表情は、充実そのものだった。

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