矢野新コーチ物言う!金本監督と共闘や
阪神の来季の作戦兼バッテリーコーチに就任した矢野燿大氏(46)が27日、西宮市内の球団事務所で会見。金本監督から、就任要請の際に「オレにどんどん、何でも言ってくれ」と言われたことを明かし、現役時代から苦楽をともにしてきた“戦友”として共闘を誓った。背番号は「88」に決まった。
矢野新コーチの表情は晴れやかだった。現役時代にピンチを抑えてはガッツポーズを繰り出し、時に厳しい表情で投手を叱咤(しった)した熱い男。早くもスーツの下から情熱がわき上がってくるようだった。理由があった。熱くする言葉を金本監督からもらったからだ。
「“意見を言ってほしい。オレにどんどん何でも言ってくれ。そういう立場でやってほしい”と言われた。遠慮なく言えるところも僕の場合ある。その辺を期待されていると思う」
同じ1968年生まれながら、東北福祉大では浪人して入ってきた金本監督に対して、1学年上の先輩として接した。それぞれ広島、中日でスタートしたプロ野球人生。ともにレギュラーを勝ち取るところからだった境遇も似ている。03年からはチームメートとして戦った。苦労している分、03、05年の優勝の喜びも人一倍だった。戦友だからこそ分かる。力になりたいと素直に思えた。だからこそ、就任要請に迷うことなく応えた。
期待されるのはイエスマンではなく、チームのために遠慮なく嫌なことでも言える存在だ。新監督を男にするために、やれることは何でもするつもりだ。
それだけではない。レギュラー不在が言われて久しい正捕手の育成も最重要課題だ。
「基本的には横一線。レギュラーは与えるものじゃない。自分で奪い取ってくれるような捕手を育てたい」
捕手陣には自身が正捕手を勝ち取るために行ってきたという1試合の全球を書き出す宿題も課すつもりだ。
「リードに答えはない。でも自分の中で答えは絶対必要。そこを説明できない捕手は良くないと思う」
土壇場になれば、サインを出す指が動かなくなった経験もある。とことん突き詰めて考えることが、正捕手への近道だと示した。
2010年、自身の引退セレモニーは「また、いつの日か、甲子園で会いましょう」とスピーチを締めくくった。その時がやってきた。背番号は88。妻の誕生日と同じ番号を選んだ愛妻家。優しさと熱さを合わせ持つ男がタテジマをまとい帰ってくる。
関連ニュース
