能見 お得意の鯉料理でチームに勢い

 25日・広島戦(マツダ)に先発する阪神・能見篤史投手(36)が、連勝中のチームの勢いを加速させる。24日は甲子園で行われた投手指名練習に参加し、キャッチボールなどで調整した。今季、広島戦は5試合に先発し4勝1敗、防御率1・69。広島キラーが長期ロード最後の3連戦初戦で、勝利に導く快投を披露する。

 熱戦の余韻冷めない芝生の上を、細身のシルエットが軽快に駆け抜ける。高校球児に聖地を明け渡してから約3週間。久々に帰ってきた甲子園で汗を流した能見が、得意の鯉斬りへ決意を込めた。

 「あまり考えず、一人一人打ち取っていくだけです。3連勝?続いていけるように」

 息を吹き返したチームをさらに加速させるつもりだ。猛虎は鬼門・東京ドームで巨人にまさかの3連敗を食らったが、京セラドームでDeNAを3タテ。首位の座をキープし、0・5まで迫られた2位とのゲーム差を再び2・5に広げた。

 25日から広島と長期ロード最後の3連戦を戦う。先陣を切る左腕にはプロ11年間で積み重ねた頼もしいデータがある。広島戦通算成績は22勝9敗、防御率2・38、勝率・710。今季も5試合に先発し4勝1敗、防御率1・69の好相性。6月24日(富山)から3連勝中で、相手本拠地のマツダスタジアムでも今季2戦2勝、防御率1・06と負け知らずだ。

 台風15号が日本列島に接近しており、25日の試合開催は、微妙な状況。26日にスライド登板する可能性もあるが、「気持ち的にはやるつもりでやっておかないと」ときっぱり。指名練習ではキャッチボール、ショートダッシュなどを繰り返し、入念に最終調整した。

 前回19日・巨人戦は四回まで無安打投球を展開したが、3点リードの五回に暗転した。6本の集中打を浴び、4回1/36失点でKO。後を受けたリリーフ陣も打ち込まれ、1イニング10被安打は球団ワーストタイ記録だった。中5日のマウンドで、その悪夢も振り払いたい。

 ペナントレース残り30試合で広島戦は11試合。リーグ優勝の行方を占う上でも、重要な3連戦だ。カープキラーが得意の鯉斬りで苦手意識を植え付ける。

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