メッセG封6勝 耐えた8回仁王立ち

 「阪神2-1巨人」(21日、甲子園)

 アンラッキーな展開も、阪神・メッセンジャーは踏ん張った。初回2死満塁で迎えた打者は、6番阿部。10日の対戦では3四球。マウンドで深呼吸すると、冷静に球場の風を読んだ。

 「今日はレフト方向に風が吹いていたから、インコースがいいと思ったんだ」。2ボールから内角直球を続けカウントを整えると、最後も内角に145キロ直球を決め、狙い通りの右飛に打ち取った。鳥谷の落球、三塁へのボテボテの内野安打と、2死から相次いで不運が襲ったが、クレバーな投球ではね返した。

 「序盤は自分自身、苦しかったけど、ゼロで逃げ切れたことが大きかった。いつもダメージは最小限に抑えようと思っているんだ」

 一発がある巨人打線相手に、丁寧に低めを突いた。150キロ直球とカーブを軸に、8回を6安打無失点。三振はわずか2つだけ。打たせてアウトを取り、「いつも心がけていること。低めに丁寧に投げたら、こういうピッチングができる」と満足そうにうなずいた。

 「豚骨ラーメンと担々麺のミックスという感じだから“豚担麺”でいこう!」。試食を終えたメッセンジャーは上機嫌で新メニューを命名した。20日から甲子園で期間限定発売中の「メッセの夏限定豚担麺」だ。スパイシーな辛口が特徴で、初日の売り上げも好調だという。「メッセの豚骨醤油ラーメン」の売り上げも2位。「この暑い中で、ラーメンがここまで売れ行きがいいのは異例です」と球団関係者も驚きを隠せない。伝え聞いた助っ人も「グッド!」と大喜び。甲子園名物として、今や不動の地位を築き上げている。

 今季6勝目で2日連続観戦した俳優・渡辺謙を喜ばせた。「2年前のキャンプでお会いしました。これからもどんどん、いい映画に出てほしい。応援しています」と映画好きの助っ人もエール。5試合ぶりの待望の白星をつかみ、後半戦最高のスタートを切った。

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