山本、由伸キラーや!宜野座C決めた
阪神のドラフト5位・山本翔也投手(25)=王子=が22日、鳴尾浜の新人合同自主トレで2度目のブルペンに入り、視察した和田豊監督(51)をうならせ、宜野座キャンプ帯同が決定的となった。左キラーとして期待される左腕は昨季、チームの対戦打率・519と打ち込まれた巨人・高橋を直球で見逃し三振に仕留めることを宣言。手薄な中継ぎ左腕の救世主となる決意だ。
どっしりとした下半身は一切、ぶれない。スリークオーターから繰り出された白球は、全てが低めへ制球された。「緊張というよりアピールしないとな、と思った。前回よりもまとまったと思う」。山本が鳴尾浜のブルペンで、首脳陣に強烈な印象を残した。
和田監督は投球が終わるまで、捕手の真後ろから動かずに見つめ続けた。「フォームに勢いがあった。特に左打者にはいやらしい感じじゃないかな。制球もいい」。何度もうなずき、口元を緩めた。
キャンプ直前での急浮上だ。山本は右膝違和感で、9日に始まった新人合同自主トレ初日から別メニュー調整を続けた。だが、その後は順調に回復して、20日に初めてブルペン入り。いきなり捕手を座らせる本格的な投球を披露し、山口投手コーチから評価された。そして、迎えた2度目のブルペンでは和田監督にも称賛された。
「膝どうこうと言われていたけど、順調にやれているんじゃないかな。そういうのも含めて、あした正式決定します」と指揮官。キャンプのメンバー振り分けは23日のスタッフ会議で正式決定するが、山本の宜野座キャンプ帯同は決定的となった。
左キラーの即戦力として期待される新人左腕。自覚は強い。「昨年の都市対抗のJR東日本戦で、左打者を完璧に抑えたことを評価していただいた、と聞いた。プロでも自分の投球を見せてアピールしたい」と“左殺し”に意気込んだ。
標的に挙げたのは、憧れの選手でもある巨人・高橋由だ。阪神は昨季打率・519、3本塁打、11打点と打ち込まれた。「三振を取りたい。制球を生かして手が出ない所へ投げたい」。巨人の大ベテランから直球で見逃し三振を奪い、流れを変える快投を誓った。
1年目から夢を実現させるチャンスはある。今季は筒井が先発に転向し、左の中継ぎで計算できるのは加藤しかいない。「1年目とかは関係なく立場を確立したい」。遅咲きの25歳は、沖縄から力強くスタートを切る。
