和田虎に復調の兆し!5点差追いついた
「阪神7‐7ヤクルト」(21日、甲子園)
底力とは言わない。自軍の敗北で、宿敵のリーグ制覇を決定することだけは避けたいという、せめてもの意地。最大5点差を追いついた粘り。5時間28分の激闘。苦境に立たされる状況に変わりはないが、7カード連続負け越し中の阪神に復調の兆しが見えた。
点が線となった。3点ビハインドの六回、2死。四球、右前打、敵失から、坂が2点右前適時打。八回も2死からの左前打を起点に、西岡が同点の適時二塁打。2死無走者の局面から奪った3点。これまでの劣勢時には、淡々と凡打を重ねているように映った打線が久々につながった。
「あそこまでいったら、ひっくり返したいところだったけどね。ただ、甲子園の声援があって、ジャイアンツのマジックが1になって、負けて決めさせたくないという選手の気持ちもあった」と和田監督。追い越すまでの決定力には欠けたが、一方でプレーに感じる粘りをプラスに受け止めた。
宿敵・巨人の胴上げは22日以降に持ち越しとなったが、事態が劇的に好転したわけではない。残り13試合が映し出す未来は、限りなく厳しい。それでも、その先に再戦の機会がある。折れかけたキバを研ぐ舞台にしなければならない。
「こういう試合をキッカケにしてね。気持ちが出つつある。そういうのを大事にしてやっていきたい」。新たに芽生え始めた闘争心を礎に、猛虎は全力を尽くす。
