新井満塁で三振「悔しい」13戦連続Hも…

 「交流戦、阪神2‐4ソフトバンク」(17日、甲子園)

 塁上はすべて埋まっていた。2点を追う八回2死満塁。“花金”でまっ黄に染まった観客席は歓喜の一撃を信じていた。カウント2‐2からの5球目は内角に鋭く沈むボール球。体勢を崩された背番号25のバットが豪快に空を切ると、マウンド上の20歳がグラブをバシッとたたいた。ボルテージ最高潮の見せ場で、阪神・新井が千賀に完敗した。

 「満塁でね…。(千賀には)いい真っすぐがあるし、ランナーが三塁にいる状況で全球フォークというのは頭になかった。相当自信があるんだろうね…。悔しいよ」

 ネクストバッターズサークルで剛腕セットアッパーの軌道をジッと見つめた。鳥谷に投じた150キロを超える速球。マートンを三振に仕留めた140キロ近いフォークボール。すべてをイメージしながら打席に向かったが、配球は想定外だった。暴投が許されない状況で、その確率が最も高くなる落ちる球で全球勝負に挑まれ、首をひねった。ベンチへ下がりながら浮かべた苦笑いが、16歳下の右腕をたたえていた。

 二回に帆足からチーム初安打を放ち、5月1日広島戦から続ける連続試合安打を「13」まで伸ばすと、六回には3番手岩崎から1点差に迫る追撃の適時打を右前に運び、プロ通算996打点。逆転の機運を高めた。良太に代わりこの日から4月17日以来となる5番に座ったが、即座に首脳陣の期待に応えた。

「また、明日」 5月はすべての試合でヒットを奏でる。「前向きでいいんじゃないですか」。安打が継続していることを問われ、うなずきながらそう答えた。前カードのオリックス戦2試合で8打数2安打3三振とやや陰りをのぞかせたが、試合前に「悪いところは分かっているので、修正できる」と自信を見せていた。

 チームは3連敗。メッセンジャーの連勝記録も止まってしまったが、好調を維持する新井の快音は止まらない。「また、明日です」。“ミスター・メイ”が連敗を食い止める。

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