遠藤、隠密裏に初出稽古で鶴竜と20番

 「大相撲春場所」(3月9日初日、ボディメーカーコロシアム)

 ホープ遠藤(23)=追手風部屋=が26日、隠密裏に入門後初の出稽古を敢行した。事前に報道陣に告げず、単身井筒部屋へ出向き、今場所綱とりを狙う鶴竜の胸を借りた。初日に対戦する可能性の高い大関と20番の三番稽古。心地よい汗を流し、終了後は充実感を漂わせた。

 初出稽古は完全非公開で行われた。住宅街の稽古場から聞こえてくるのは、遠藤と鶴竜の気合の入った声だけ。師匠の追手風親方(元幕内大翔山)が仲のいい井筒親方(元関脇逆鉾)に頼んで実現し、井筒親方が両力士が集中できるようにと配慮した。

 記念の初出稽古を終えた遠藤は待ち受けた報道陣を見るや「何で知っているんですか」と第一声。師匠が明らかにしたと知ると、「(師匠は)入門して1年は体づくりで出稽古はさせないということだったけど、ちょうど1年たったのでGOサインが出た」と話した。

 両者の話から、稽古はかなり内容が濃かったようだ。鶴竜の胸を借りての三番稽古は都合20番。「大関はただただ強かった。やられるがままだった。最初から普通にできたらおかしいですよ」と振り返ったが、収穫も多かった。

 昨年2月の入門会見では目標に横綱輪島、目指す力士に鶴竜を挙げた。その鶴竜の立ち合いの速さと圧力、一瞬にしてまわしを切る高い技術を体感したことは、部屋で幕下相手に稽古をするのとは天地ほどの差がある。

 「上の人の立ち合いのスピードや圧力を肌で感じ、免疫をつけることは意味がある。目指す人と稽古ができて、いい経験になった」。出稽古は27日も行う予定。ホープがまたひとつ階段を上がった。

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