比嘉13連続KOで戴冠「最高です」 カンムリワシ2世誕生に具志堅会長が涙

 「ボクシング・WBC世界フライ級タイトルマッチ」(20日、有明コロシアム)

 WBC世界フライ級1位の比嘉大吾(21)=白井・具志堅スポーツ=は、体重超過で王座をはく奪されたフアン・エルナンデス(メキシコ)に6回2分58秒でTKO勝ちし、13戦連続KOで新王者となった。デビューから全戦KOでの世界タイトル獲得は日本選手で初めて。元WBA世界ライトフライ級王者で、所属ジムの具志堅用高会長(61)にとってはジム初の世界王者誕生となった。

 沖縄の夢を乗せた拳が世界の壁を貫いた。計量に失敗して王座剥奪となったエルナンデスを6度倒し、日本初の全試合KOで世界王座を手にした。比嘉は、自身と同じ沖縄出身の具志堅会長と涙を流して抱擁。所属ジム設立22年目で初、沖縄県出身で25年ぶり7人目の悲願達成に、比嘉は「最高です。いっぱい倒して、獲って、幸せです」と喜びをかみしめた。

 大舞台でも落ち着いていた。「気を失うのと、パンチが空を切って負けるのが一番怖かった」と、1回はガードを固めて相手を見た。そして、2回には「絶対捕まえられると思った」と、持ち前の攻撃力を全開させ、左フックでダウンを奪った。

 4回終了後の公開採点は2者が相手リードも、「意識はしなかった」と動じなかった。5回に再び左フックでダウンを奪うと、6回にはボディーの連打で4度のダウンを奪いストップを呼んだ。

 KOキングは3日前、パニック障害に襲われ、野木丈司トレーナーを自宅に呼び、鎮めてもらったという。野木トレーナーによると、原因は「プレッシャーでしょう。沖縄を背負ってますから」と分析した。

 前日の19日は、ジムの名誉会長で日本初の世界王者だった故白井義男氏が65年前に世界フライ級王座を奪取した日。同じ階級の王座を取り戻し、「白井先生とは面識はないが、世界を獲ったら絶対にお墓参りに行きたいと思っていた。ベルトを持って行きたい」としみじみ話した。

 リング上で「会長みたいな偉大な世界チャンピオンになりたい。わんや、カンムリワシにないん(沖縄の方言で私はカンムリワシになりたい)」と、具志堅会長が世界王者になった後に発したのと同じ言葉を口にした。夢をつかんだ2羽目のカンムリワシが世界へ羽ばたく

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