大学生レスラー・竹下幸之介が目指すプロレスのメジャー化

 地球の裏側で行われたリオデジャネイロオリンピックが幕を閉じた。日本選手団は史上最多のメダル総数41個を獲得し、全国に興奮と感動を呼んだが、そんな中、1人の若者がオリンピックに対抗心を抱いていた。プロレス団体DDTで活躍する竹下幸之介だ。

 現在は日体大に通う21歳。幼い頃からプロレスラーになる夢を抱き、小学校時代にレスリングを学んだが、中学、高校では陸上部に所属し、混成競技で全国トップレベルの成績を残した。その一方で、17歳時にDDTで高校生レスラーとしてデビュー。恵まれた体格と高い身体能力で将来を嘱望され、今年5月にはDDT最高峰の王座であるKO-D無差別級王座を史上最年少の21歳で獲得し、8月28日に石川修司に敗れるまで3度の防衛に成功した。

 リオ五輪は王者の立場で連日テレビ観戦。「今回、日本もいっぱいメダルを取って本当に強い。本当にすごい」と感心する一方で「全国大会に出たからこそオリンピックに行く選手がどういう選手かも分かるし、メダルを取る選手がどんな人間なのかも分かっている。プロレスラーも負けていない」と、五輪種目とプロレスの両方を知る者として大きな刺激を受けた。

 日本のプロレスは隆盛と低迷を繰り返し、現在は何度目かのブームを迎えていると言われているが、五輪や野球、サッカーなどのメジャースポーツほどの注目を集めているとは言いがたい。この現状に、「ボクがずっと言っているのは、スポーツニュースでプロレスを取り上げてほしいということ。地上波で。ボクの試合結果が野球、サッカーの後にプロレスが普通に流れるような世の中にしたい。プロレスをもう一つ上のステージ、オリンピック種目、野球とかサッカーとかと同じステージに上げることが今のボクの目標です」と、大きな夢を抱く。

 実現の可能性はともかく、それはプロレス界を背負って立つ気概の現れと思える。「ボクはどこかに『アスリートプロレス』と書かれましたけど、名前は何でもいいです。今でも、すごいトレーニング頑張ってますねとか言われますけど、野球とかサッカー選手は言われないじゃないですか、やるのが当たり前だから。プロレスラーもトレーニング頑張ってますねと言われるようじゃまだまだと思っている。だから、そこに並びたいですね。メジャースポーツに?そうですね」と意識は高い。

 30代、40代がトップレベルの多くを占めるプロレスラーの選手寿命は長く、竹下には大きな成長の余地があるだろう。竹下がプロレスのステージをどこまで引き上げるかを見守りたい。(洪 経人)

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