「東洋太平洋スーパーフライ級王座決定戦」（６日、後楽園ホール）

　世界に手をかけた１勝だ。井上拓真（１９）＝大橋＝が５戦目で初タイトルを奪取した。兄・尚弥に並ぶ日本２位タイのスピード記録。最終回、当たり損ないのパンチで不運なダウンを喫したが、３－０の判定勝ちだった。

　４０戦目のキャリアを誇るヘラルド（２３）＝フィリピン＝に対し序盤から積極的にペースを握り、左右のノーモーションを効果的に決め、右ボディーも執ように攻めた。ただ、中盤に右拳を痛めたとはいえ、ここぞという場面で仕留めきれない課題も残った。

　拓真は「勝てたのはうれしいけど、課題もたくさんできた」と笑顔も半分。大橋会長は「意義ある勝利」とたたえつつ「次は防衛戦。来年には必ず世界戦」と話した。喜びも悔しさも自覚する拓真だけに、７戦目の世界挑戦もある。