村田5回TKO ランカー沈め次戦海外
「ボクシング10回戦」(1日、大田区総合体育館)
初の世界ランカーとの対決となった村田諒太(29)=帝拳=は豪快な右ストレートで5回38秒TKO勝利。3戦ぶりKOでデビュー7連勝を飾った。
一進一退の静かな展開を破り、村田が5回、試合に火を付けた。右ボディーからジャブを突き、体重の乗った強烈な右ストレートをアゴにたたき込んだ。何とか立ち上がったアタイジを逃さない。連打でたたみかけ、最後はかぶせるような右で2度目のダウンを奪うと、福地レフェリーはカウントせず、ゴングを要請した。
世界ランカーとの初対戦だった。「最初は狙い過ぎて手数が出なかった。ただ、最後の右はプロ初の感触でした」と、会心の勝利を振り返った。5回にセコンドから「アッパーじゃなく、ワンツーの距離だ」と指示が飛んだ。その直後のKO劇だった。
判定勝ちが2試合続き、複雑な思いだった。「KOは正直、ホッとします。プロですから」と本音を漏らした。心境の変化もあった。「これまでは自分のためにボクシングをやってきた。ただ、期待してくれる家族やファンがいる。人のためにも、という気持ちになってきた」と、村田諒太を第三者の目で見るようになった。
村田の将来に向け「重要な試合」と位置づけていた帝拳・本田明彦会長は「次は100%外国でやる。(世界王座の)挑戦者になるのも資格がいるんだ。海外で認めてもらわないと」と手放しで評価した。
村田諒太の世界挑戦が、いよいよカウントダウンに入った。