帝里 テテ余裕の態度に闘志メラメラ
「IBF世界スーパーフライ級王座決定戦」(18日、神戸ポートピアホテル)
ボクシングのIBF世界スーパーフライ級6位・帝里(ている)木下(千里馬神戸)が14日、神戸市内の所属ジムで初の世界タイトル戦に向け、練習を公開。18日に王座決定戦を戦う同級1位のゾラニ・テテ(南アフリカ)に対し“怒り”のベルト奪取を宣言した。
帝里の顔色を変えたのは練習前の記者会見で、千里馬啓徳会長から伝え聞いた挑発的な歌だった。
この日、帝里より前に対戦相手のテテも同ジムを訪れ汗を流した。練習後、会長がテテ陣営5人を宿舎まで車で送った。その車中、5人は陽気なアフリカ音楽に乗せ、母国語の“替え歌”で盛り上がっていた。
もちろん会長には意味は分からない。それでも、たまにテイル、カメダと固有名詞が出てくるのに気づいた。通訳に「何と歌っているのか?」と尋ねた会長に対し、衝撃的な答えが返ってきた。
「テイルは勇気がない。勇気を持ってかかって来い♪日本はいいところ♪次は防衛戦で来て、相手はカメダだ、コウノだ♪」
敵のジム会長の目の前で、耳を疑う歌詞。「俺がおるのにその前で、こんなのは初めてや。テテも歌ってたよ」。はらわたの煮えくりかえった会長は「あいつら、こんなん歌ってたんやで!」と愛(まな)弟子に悔しさを訴えたのだ。
いつもは物静かな帝里も自身はもちろん、会長までなめられては黙ってられない。「そうやってやってもらった方がいい。がぜんモチベーションが高まってきた」と闘志をむき出しにした。
18勝3敗、16KOを誇る世界トップクラスの強打者。6月中旬からは寝る前に、テテの顔がちらつき不眠症になったこともある。
それでも眠れない時間はテテ攻略を考え抜いた。「サウスポー相手の対処法というのがひらめいた」と布団の中でイメージし尽くし、サウスポーへの苦手意識を払しょくした。
「リーチもあるし、やりづらい。後半に入ってからが勝負。最終ラウンドにもつれ込む」。自信を持つスタミナ勝負に持ち込めば、勝機は十分あると確信している。
ミット打ちなど2時間の練習でテテ対策をを入念に確認した帝里。「自信はある。必ず勝つ」とキッパリ。怒りを7・18リングで倍返しする。





