東北出身の五十嵐と八重樫が因縁対決

 ボクシングの帝拳ジムは23日、都内のホテルで会見し、4月8日に東京・両国国技館で、トリプル世界戦を行うことを発表した。WBC世界フライ級王者の五十嵐俊幸(29)=帝拳=が前WBA世界ミニマム級王者の八重樫東(29)=大橋=と2度目の防衛戦、同バンタム級王者の山中慎介(30)=帝拳=が同級1位マルコム・ツニャカオ(真正、フィリピン)と3度目の防衛戦を行い、WBC世界スーパーフェザー級13位の三浦隆司(28)=帝拳=が同級王者ガマリエル・ディアス(31)=メキシコ=に挑戦する。

 因縁の日本人対決を制して知名度アップだ。王者の五十嵐は、同級1位エドガル・ソーサ(メキシコ)と敵地での指名戦を交渉していたが、相手側が拒否。そこで、挑戦者に自ら指名した相手が八重樫だった。

 「今、自分にないのは人気、知名度。手っ取り早く認めてもらうには、これぐらいの相手勝負しなければいけないと思った」

 八重樫は昨年6月、WBA世界ライトフライ級王者の井岡一翔(井岡)とのWBA・WBC世界ミニマム級王座統一戦で、その激闘が日本中で認められた。

 五十嵐が秋田、八重樫は岩手と2人ともに東北出身。高校、大学時代から、試合や合宿で顔を合わせることが多く、そのころに4度対戦して五十嵐がすべて勝っている。

 それでも、五十嵐は「当時は何度やっても負けないと思ったが、2人のプロの試合を見ると、ボクの方が不利という感じ。体力、技術は向こうが上。でも、そういう方が燃える」と過去の実績にはとらわれない。

 一方の八重樫は「リベンジが大きなモチベーション。ここで勝てばチャラですよ」と気合十分。1階級飛ばしての2階級制覇挑戦には、「向こうは骨格が大きくて、体力負けする可能性がある。上の階級なので今回はアタックですよ。さばいたり逃げたりせずに、つぶしにいきます」と真っ向勝負を挑む。また、五十嵐の“知名度利用”発言には「昔から平気でああいうこと言っちゃうんですよ」と笑い飛ばした。

 この試合には、もう一つの因縁がある。五十嵐を指導する葛西裕一、八重樫を指導する松本好二の両トレーナーは、横浜高ボクシング部の同級生。ともに東洋太平洋王座に就き、世界王座挑戦に3度失敗したという共通点がある。因縁づくしの対決は井岡‐八重樫戦を上回る世紀の一戦になるか?

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