大阪市立茨田北中学校の寺井寿男校長が、全校集会での「女性にとって最も大切なことは、こどもを２人以上生むことです」という生徒への発言（※）が問題になっている。ハイヒール・リンゴは「日本のことを考えているんだと思う」と前置きしたうえで、「惜しい！言葉チョイスを間違っている…良くも悪くも“昭和のおっさん”」と形容。さらに自身の経験を踏まえ、校長の言う“子育て”について語った。

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　校長の発言ですが、女性として「何言ってるんや！」という怒りはない。文字だけ見ると偏ってるように思えるけど、全文を読むと、むしろ日本のこと考えているんやなと、おっしゃっていることがわかる。でも惜しい！表現が残念。言葉遣いにうーんとなりましたね。「女性とって最も大切なこと」じゃなく「とっても大切なこと」ならわかった。２人以上産むことは「キャリアを積むこと以上に価値がある」じゃなく、「同じように価値がある」なら成立する。言葉をもう少し変えたらええのにと思います。

　校長がマスコミのインタビューに答えて、発言の趣旨を「多様化」と言っていました。でも全校集会で発言したことで、逆に校長の考えを押し付けることになる。そこが学校の先生としては失敗だったなと。ただおっしゃていることは男子生徒にも子育てを呼びかけ、女性を蔑視しているとは思わない。

　私は校長のいう「体の具合で、こどもに恵まれない人」のカテゴリーに入るんですけど、「親に恵まれないこどもを里親になって育てることはできます」ってそれは校長の希望であって、そこまで人に強いられて子供を育てなくちゃいけないのかと。「人として育ててもらった以上、何らかの形で子育てをすることが、親に対する恩返しです」ってどうなんでしょう。言葉のチョイスが…。いい意味でも悪い意味でも“昭和のおっさん”やなあと思う。でも頭から否定はしません。この人の考え方やから。ただ教育者として全校集会で言ったのはいかがなものかなとは思います。

　この発言は、教育者ではなく、親として自分の子供に言うたらいいと思うんですよ。もし自分の子どもが子を産めなくて、同じことを言えたら立派。「子どもが生まれへんかったら、里親で子供を育てるのが親に対する義務や」と言えるんだったらいいと思います。けどこれを自分の子どもにだけ言えばいいのに、生徒にいうから問題になったんです。

　実は私がまだ不妊治療していたころ、スピリチュアルのすごい人に言われたことがあるんです。「リンゴちゃんごめんね。実の子はできないわ」って。そのときは「なに言ってんの」って思いましたよ。でも続けて「その代わりリンゴちゃんのことをお母さんと思って慕ってくれる人がいっぱいできるから、その人たちを育てなさい」って。

　いま私、若手女芸人イベントのＭＣをやっているんです。大阪では２０数回、東京では１月に第１回目を開催しました。３月２９日にも東京で第２回のイベントを開催します。若手女芸人のことを一生懸命やってるのも、この子たちが育っていってくれたらええわと思ってるから。もともと手相とか占いとかはいいことしか信じないんですよ。でもスピリチュアルの先生に言われたことは、後々考えたら当たっていたんやないかな。私が若手女芸人の母だなんておこがましいことは言わへんけど、何か巣立つ助力ができたらええかなとは思っています。

　そういう意味では、この校長先生のいう“子育て”はやってるんですよ。もちろん私だけじゃない。周りを見ても、子供に恵まれなかった人はユニセフに寄付をしたり、親戚の子の援助をしたりとか、公にしないだけで里親になってはる方もいました。子どものいないひとも、言われるまでもなく、何らかの形でやっているんです。わざわざ言う必要もないから、黙ってるだけなんです。

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※大阪市立茨田北中学校ＨＰに掲載された寺井寿男校長の発言要旨（現在は削除）

　『今から日本の将来にとって、とても大事な話をします。特に女子の人は、まず顔を上げてよく聴いてください。女性にとって最も大切なことは、子供を二人以上生むことです。これは仕事でキャリアを積むこと以上に価値があります。

なぜなら、子供が生まれなくなると、日本の国がなくなってしまうからです。しかも、女性しか子供を産むことができません。男性には不可能なことです。

「女性が子供を２人以上産み、育て上げると、無料で国立大学の望む学部に能力に応じて入学し、卒業できる権利を与えたらよい」と言った人がいますが、私も賛成です。子育てのあと大学で学び、医師や弁護士、学校の先生、看護師などの専門職に就けばよいのです。子育ては、それほど価値のあることなのです。

もし、体の具合で、子供に恵まれない人、結婚しない人も、親に恵まれない子供を里親になって育てることはできます。

次に男子の人も特によく聴いてください。子育ては、必ず夫婦で助け合いながらするものです。女性だけの仕事ではありません。

人として育ててもらった以上、何らかの形で子育てをすることが、親に対する恩返しです。

子育てをしたらそれで終わりではありません。その後、勉強をいつでも再開できるよう、中学生の間にしっかり勉強しておくことです。少子化を防ぐことは、日本の未来を左右します。

やっぱり結論は、「今しっかり勉強しなさい」ということになります。以上です。』