【スポーツ】復帰秒読みバド桃田の1年間 社会人として成長「パワーポイントも使えるように」

 復帰へ、秒読み段階に入った。昨年4月に違法カジノで賭博行為をしていたことが発覚し、無期限の大会出場停止処分を受けているバドミントン男子の桃田賢斗(22)=NTT東日本=が、早ければ4月中にも処分解除される可能性が高まった。日本協会が12日の理事会で解除を検討する方針を固めた。

 銭谷欽治専務理事は「理事全員が100パーセント(賛成)なら処分を解く可能性はゼロじゃない。遅くとも5月の理事会には諮る」とした。時期は有期で最大の1年間の出場停止処分を受けている古賀輝(NTT東日本)の処分が4月9日に解けるため、4月10日以降となる見込みだ。

 信頼回復へ、1年間積み重ねてきたものが認められた。NTT東日本の報告では、桃田は更正プログラムを熱心にこなし、処分を受けてから取り組む総務人事部の仕事でもパソコンソフトを使いこなせるようになるなど成長しているという。

 銭谷専務理事は「これまではやってこなかった仕事の部分でも成長していると聞く。(プレゼンテーション用のソフト)パワーポイントなんかも使えるようになって、そういう仕事はトップレベルでこなせるようになった。ビジネスマンとしても成長してるし、練習でもいいパフォーマンスを見せている」と、明かした。

 昨年11月の熊本での震災復興イベントや、各地で行われたバドミントン教室など社会貢献への取り組みも評価された。4日に行われた理事会では、処分解除に向け動くことに、理事の中から反対の声はなかったという。

 復帰ロードも見えてきた。4月中に処分が解除されれば、早ければ5月下旬の日本ランキングサーキット(埼玉)での大会復帰が可能。強化本部長の許可があれば、今夏の下位の国際大会に日本ランキングに応じて6~10大会、自費での出場ができるようになり、抹消された世界ランクのポイントを稼ぐことが可能だ。

 上松強化本部長は「朴さん(代表監督)や強化を含めて話し合うが、大切な選手。(自費派遣は)前向きに検討したい」と、話した。そして、12月の全日本総合で結果を残せれば、晴れて日本代表に復帰となる。

 銭谷専務理事は「五輪にも出場できず、社会的な制裁は十分に受けている。国際連盟も、林丹(中国)、リー・チョンウェイ(マレーシア)がピークを迎える中、次の世代のスター選手として桃田に期待を懸けている。我々は処分する側でも、救済する側でもある」と、処分解除へ前向きな姿勢を見せた。コートへ戻る日はもう間もなく。20年東京五輪を視野に、日本男子バドミントン界エースの名誉挽回の戦いが始まる。(デイリースポーツ・大上謙吾)

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