【サッカー】J2岡山、敗戦の痛みを再挑戦への原動力に

 あと一歩、届かなかった。4日に行われたJ1昇格プレーオフ決勝。敵地に乗り込んだJ2岡山はC大阪に0-1で敗れ、悲願のJ1昇格はならなかった。

 試合後のスタジアム。岡山の木村正明代表は報道陣の前に立ち、悔しさをにじませながらこう話した。

 「ヤンマーサッカー部から60年の歴史があるセレッソさんの、クラブとしての力のスゴさを感じました。ウチはまだ13年。思いの強さや意志の強さ、積み重ねてきたものが足りなかったんだと思います」

 悲願達成への機運は最高潮に達していた。振り返れば2015年シーズン開幕前。木村代表は会見を開き、J1昇格とホーム平均観客動員1万人を目標とする「Challange1(チャレンジワン)」を発表した。そのスローガンの意味するところを熱く語る同代表の言葉には、J1昇格にかける思いの強さがあふれていた。

 その年、ともに元日本代表のDF岩政大樹と加地亮が加入。リオデジャネイロ五輪日本代表のMF矢島慎也も浦和から期限付き移籍で加わった。今季もFW赤嶺真吾やFW豊川雄太らが新加入するなど、ここ2年は補強の面でも昇格への本気度を感じさせた。

 「Challange1」初年度の昨季は11位に終わったが、今季は開幕から上位を快走。6位でクラブ初のJ1昇格プレーオフ進出を果たし、目標の一つである「1万人」も達成した。11月27日のプレーオフ準決勝では、後半ロスタイムにFW赤嶺が劇的な決勝ゴール。敵地で3位・松本を下す“下克上”で昇格に王手をかけた。悲願に向かって突き進む岡山の破竹の勢いが、C大阪をのみ込むのではないか。プレーオフ決勝前には、そんな空気が充満していた。

 しかし、現実は甘くはなかった。C大阪のスキのない守備を崩せず、岡山は無得点のまま敗れた。試合後、MF矢島が口にした「J1昇格はまだ早いと言われているような気がした」という言葉が強く印象に残った。

 岡山にとっては残酷な幕切れだったが、この苦い経験もまた、クラブの貴重な財産となるはずだ。東大法学部出身で米投資銀行ゴールドマン・サックスを38歳で退社し、地元・岡山のサッカークラブに情熱を傾ける木村代表は「ファジアーノが岡山に根付いてきている。もっと幹が太くなれば、セレッソを倒せると思う」と話す。そして「来年はこれ以上の結果を出さないと納得してもらえない。そのために何をすべきか、じっくり考えたい」と自らを奮い立たせるように前を向いた。

 夢を追いかける強い思いは、さらに力を増した。傷心の敗戦から立ち上がり、岡山は再びチャレンジを開始する。(デイリースポーツ・浜村博文)

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