【ライフ】スイーツレポーターが手掛ける究極のカフェ「チョコレート研究所」

 大阪市西区新町、おしゃれな横文字のカフェやバーが点在するエリアに、一風変わった「チョコレート研究所」という手作りの看板が目を引く。所長(店主)の染川ちひろさんが昨年12月にオープンしたカフェだ。

 染川さんはこれまで国内外1000店、1万種類以上のお菓子を食べ歩いた「スイーツの専門家」。カンテレ「よ~いドン!」や読売テレビ「かんさい情報ネットten.」、ABC「キャスト」などのスイーツ特集コーナーに出演し、トレンド情報や地元のおいしい商品を紹介してきた。

 執筆するスイーツサイト「スイーツレポーターちひろのおいしいスイーツセレクション」は1日最高3万アクセス。カリスマ的な人気を持つ染川さんが、カフェでは自分で選んだ素材を自ら調理。もっともおいしい食べ方を提案している。

 看板メニューは、複数の産地別チョコレートを使用し、味の違いを食べ比べできる「カカオテリーヌ(チョコレートケーキ)」、膨張剤を使用せず卵白の泡立てで膨らませた「パンケーキ」、オリジナリティーあふれるトッピングの「かき氷」、濃厚なホットチョコレート「チョコレートポタージュ」などだ。

 もともと甘い物が好きで、会社勤めの傍らブログ記事の執筆、デパートの催事の監修などを行ってきた染川さん。2014年には会社を辞め「魅力的なスイーツを僕から発信して、お店が流行るのを手伝いたい」と、ネットや雑誌でスイーツを紹介する活動に一本化した。

 さらに昨春、大阪・梅田に前身となるカフェを週1回の営業でオープン。これが「チョコレート研究所」の始まりだ。

 昨年12月には現在の場所に移転し、通年営業を始めた。作りたてでフワフワのパンケーキは口コミが口コミを呼び、一時は飲食店検索サイト「食べログ」の大阪のパンケーキ部門で1位になったこともあるという。夏はメニューをかき氷に特化し「かき氷研究所」と一時的に店名を変更。こちらも行列のできる有名店となった。

 「僕はパティシエでもショコラティエでもない。だから(凝った)ムースのケーキを作るとかはしないが、卵もチョコレートも、すべて素材にこだわり、シンプルなお菓子だけを出している」とこだわりを明かす。極上の材料を、もっともおいしい食べ方で提供する方針が、他にない魅力として消費者に響いたのだろう。

 カカオ豆の焙煎からチョコレートを手作りするイベントも不定期で開催し、毎回満席という人気ぶり。「他の人がやっているようなカフェをしても仕方ないと思った。ひとくくりにチョコレートと言っても、産地や農園ごとに味が違う。そういう面白さをお客さんに伝えたい」という。

 「チョコレート研究所」という名前にも「インプットしたものを常にアウトプットしたい」という思いが込められている。「ここは、僕が研究したものを提供するラボ(研究所)なんです。どこで何を食べていても、ずっと研究している。インプットをやめない限り、いろんなものを出せると思う」。創作意欲は絶えない。研究の成果が、自慢の一皿に詰まっている。

 「チョコレート研究所」

 大阪府大阪市西区新町1丁目9-14 2階

 (デイリースポーツ・中野裕美子)

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