今夏の北海道は藤岡康太騎手がアツい!

 さらなる高みへ-。14日のマーメイドSをシャトーブランシュで鮮やかに制した藤岡康太騎手(26)=栗東・フリー=が、今週から開幕する北海道シリーズ(12週間=函館、札幌で各6週開催)へ向けてより一層、闘志を燃やしている。

 藤岡康にとって、夏の主戦場は小倉競馬場だった。所属していた栗東・宮徹厩舎の夏場の拠点が小倉だったことから、デビューした07年から13年までの7年間、南国で騎乗した。13年夏には小倉で〈9・11・9・74〉の好成績を挙げ、勝ち鞍、2着数、騎乗回数で自身の過去最多を記録。前年の倍以上の数字をたたき出した。

 それでも、満足はできなかった。G1勝ちは09年のNHKマイルC=ジョーカプチーノ以来遠ざかり、技術的にもステップアップが求められる。「母方の祖父母が函館に住んでいて、生まれは函館なんです。レースを見てほしいというのもあったし、北海道で乗ってみたいという気持ちもあったので」。夏の主場を北海道に移そう…14年の夏を前に、そう決心した。

 それまで函館、札幌での騎乗はゼロ。ピンポイントの参戦すらなかった。「小倉は動きのあるレースが多い。函館や札幌は、見ているイメージだと4コーナーまで隊列を組んで…という感じで。小倉とはちょっと違う印象を持っていた。でも乗ってみると、そうではなかった。展開の重要度が高い競馬場だと思いました」。想像していたよりも刺激的なコースだったという。

 しかし、いきなり新天地で洗礼を浴びることになる。最初の2日間は未勝利に終わった。「函館滞在の1年目でいきなり結果が出るとは思っていなかったので」。甘くはない。ただ、日増しに体がなじんでいくのを感じ取っていた。「最終週に4つ勝って、重賞勝ちもあった。それが大きかったと思う。いい流れのまま札幌を迎えられました」。アクティブミノルでG3の函館2歳SをV。その翌週には札幌初騎乗の1Rでいきなり勝利し、初日に3勝を挙げて“アピール”に成功した。

 北海道シリーズには東西の騎手が集まる。「いつもと違うメンバーで乗るので、いい刺激になりました。小倉で乗った7年の経験が生きたと思うレースもありました」。自分に足りないものは何か。それまでとは違った環境に身を置くことで、見える景色も変わった。「イメージしていたよりも勝たせてもらったけど、馬の質を考えるともっと勝っておかなければ、と思う」。昨夏は函館6勝、札幌9勝で幕を閉じた。新鮮な北の大地で充実感を味わいながらも、向上心をかき立てられた。

 北海道の活躍が関係者の目にとまったこともあるだろう。下半期の成績も伸び続け、昨年はデビュー以来最多となる51勝をマークした。今年はどんな夏になるのだろうか。

 「もっとうまくなりたいし、技術も高めていきたい。昨年(函館、札幌の騎乗を)経験しているので、レースの引き出しも増えていると思う。それを生かしたいですね。目標は昨年以上の成績を残すこと」。北海道シリーズはもちろんだが、20日は4戦無敗のビッグアーサー(水無月S)、28日は宝塚記念のディアデラマドレに騎乗するため、阪神競馬場でプレーする。今年の夏はコータがアツい-。昨年以上に大暴れをしてくれそうだ。(デイリースポーツ・井上達也)

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