DeNAにグリエル加入で誰が2軍へ…

 試合開始から6時間も前の、正午過ぎの横浜スタジアム。中堅で黙々とノックを受ける姿があった。DeNA・石川雄洋内野手は定位置のフライから、小飛球に大飛球、ライナー。さまざまな打球を懸命に追った。

 低迷するDeNAにとって、1人の選手の加入が起爆剤になるかもしれない。キューバからユリエスキ・グリエル内野手を獲得。6月3、4日、1軍が西武ドームで西武戦を行う日に、デーゲームの2軍西武戦(西武第2)に出場。首脳陣の前でプレーし、同6日の日本ハム戦(横浜)で1軍昇格する青写真が描かれている。

 キューバ国内リーグでは二塁手、三塁手として13年間プレーし、通算打率・333を残した。昨季も本塁打、打点の2冠を獲得するなど、その打撃は健在。中畑監督は即戦力として期待する。レギュラー争い、さらに外国人枠争いに参入することになる。

 一度に1軍でプレーできる外国人選手は4人。投手3人、野手1人か、2人ずつか、投手1人、野手3人の組み合わせに限られている。DeNAは現在、先発のモスコーソ、リリーフのソーサ、打者はブランコとバルディリスの4人が1軍でプレー。このうち1人が2軍行きしなければならない。

 高田繁GMは「誰かが入れば誰かが落ちる。モスコーソだって、いつもいい投球をする訳ではない。ソーサも安定感がない時期もあった。ブランコも足の状態もある」などと話す。4選手全員がグリエルと代わる候補であることを示唆している。

 中畑清監督も「外国人が1人入る。誰を落とすか、心が痛む。選手は必ず『何で?オレが』という思いになるものだ」と言う。開幕から二塁を守る石川は、中堅の練習を積む。すると今度は荒波とのレギュラー争い。“玉突き”で各所に競争が生まれるのだ。

 DeNA1年目と比べて、昨季そして今季と着々と補強を進めている。「1年目は誰を上げていいか困っていたよ」と振り返る指揮官。その悩みは「誰を落とすか」というものに、一段上がっている。確実に厚くなっている選手層。今後求められるのは結果の2文字しかない。最下位に低迷するDeNA。グリエルの加入が、厳しいレギュラー争いを経ての、レベルアップという相乗効果を生むことを期待したい。

(デイリースポーツ・鈴木創太)

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