【篠原信一コラム】おい、高藤!おまえは金やろ…東京では取ってほしい

 柔道の初日に高藤選手、近藤選手が銅メダルを取ったことにはお疲れさんでしたと言いたいですね。4年間かけてやってきたわけですから。2人とも、負けて敗者復活戦、3位決定戦としっかり戦い抜いたと思います。

 ただね、個人的には「おい、高藤!」と言いたい。金メダルを取る力があることを知っているだけに、おまえは金(メダル)やろと。準々決勝の、あの隅返し…。テレビの前で「おいおい高藤、集中しろ、気抜くな!」と叫んだ直後でした。初戦の2回戦、3回戦で簡単に勝ちすぎたあまり、接戦になって勝負をモノにできなかった感がありました。

 順調に勝ち続けて調子が良くなることもありますが、これが対人競技の怖さ。サッカーやバレー、バスケなどの球技は、1回ミスしたとしても体力があれば残り時間で逆転が可能。柔道は残り時間があっても一瞬で負けるし、審判が「一本」と言うまでは終わらない。

 高藤は私が(日本代表の)監督をしている時にシニアに上がり、合宿にも来ていた。よく「ロンドンの代表取りにいくつもりでやれ」と声をかけました。試合直後に「東京で金メダルを」と言ってましたが、4年間この悔しさを忘れずに取ってもらいたいです。

 その直後に重量挙げでは三宅選手が銅メダルで、2大会連続のメダル。腰をケガしてた中、最後に107キロでしたか挙げた後、バーベルに駆け寄ってなでなで。あれ見て心が洗われました。スポーツってええなあ、とますます思いました。

 そして競泳では萩野選手が金メダルで、瀬戸選手が銅メダル。ライバルってええなあ、と…。全競技の選手に「よし、俺も」と思わせたはずです。スポーツには各選手の思いやドラマがある。そういう意味で、もうアカンで!寝られへんぞと初日から興奮しました。(デイリースポーツ特命リオ五輪応援団長・篠原信一)

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