世界王者・田中の兄 全日アマ初戦突破
「全日本アマチュアボクシング選手権・1回戦」(19日、水沢体育館)
フライ級ではWBO世界ミニマム級王者・田中恒成(20)=畑中=の兄・亮明(駒大4年、日連推薦)が2回56秒、TKOで川田憲昇(東洋大、中国ブロック)を下し、1回戦を突破した。
1回から手数で圧倒すると、2回、左ストレートから鮮やかな右フックを顔面にヒットさせ、ダウンを奪った。相手は立ち上がったが、ダメージは深くタオルが投げ込まれた。
V候補として貫禄の圧勝発進。「緊張していたので勝てて良かった。いつも左でダウンを取るけど、当たるパンチを当てようと」と納得顔で振り返った。
中京高3年から大学3年まで国体は4連覇したものの、全日本は大学1年から2位、3位、2位とあと一歩届かず。「大学最後に優勝して終わりたい」と、雪辱へ気合満点。
今大会は中京高時代、兄弟の恩師で同校ボクシング部監督の石原英康氏がセコンドに付いた。元東洋太平洋スーパーフライ級王者の石原先生にあこがれ、高校時代に左構えに変えた。「石原先生と一緒で負けたことがない」と師弟タッグで悲願の頂点しか頭にない。
来年からは中京高の職員になる予定。まずは今大会で優勝し、日本代表となり、来年の国際大会で16年リオデジャネイロ五輪の切符を獲得するのが目標。
日本最速で世界を奪取した弟は大みそかに初防衛戦が決まった。試合のトランクスやガウンに関して連絡があるそうで、「だいたい、僕の言った通りにしています」と、親身に相談に乗っている。
先にプロで世界を獲った弟と切磋琢磨し、兄はアマで金メダルを目指す。
