興毅「がむしゃらに走り続けて来た」
日本時間17日、米シカゴでWBA世界スーパーフライ級王者・河野公平(ワタナベ)に判定負けし、引退を表明した亀田興毅が19日、成田着の航空機で帰国。待ち受けた報道陣の囲み取材に応じた。以下一問一答。
(デニムにグレーのTシャツ、白のジャケット姿、サングラスで顔の傷を隠した興毅は穏やかな表情)
-改めて試合を振り返って。
「お互い力を出し尽くしていい試合ができた。後悔はないし、勝っても負けても次でラストと決めていた。きれいさっぱり、これで終わりです。ボクシング人生に何の悔いも残ってない」
-調子はどうだったか。
「最高のコンディションだった。35試合やった中で一番のコンディション。いいモチベーションを保ちながらできたし、満足している。(ダウンした)2ラウンドだけ、ちょっと心残りの部分がある」
-闘ってみて河野選手の印象は。
「試合前と一緒。今までいろんな苦労があったと思うし、いっぱい努力して今の地位を築いたのでしょう。素晴らしいと思う」
-今後は?実業家になるという話もある。
「実業家?何ですかそれ?普通に仕事をしますよ。サッカーの中田(英寿)さんは“旅人になる”と言ったでしょ。オレは“自由人”になる」
-プロ人生を振り返って。
「最高のボクシング人生だった。何の悔いも残っていない。がむしゃらに、全力で走り続けてここまで来た」
-3階級を制覇した。
「記録は結果として後でついてきたもの。オヤジはボクサーじゃないし、自分もアマで実績を残したわけでもない。大毅も和毅も、西成から出て来て、3兄弟で世界王者を夢見て雑草魂で走ってきた。記録はその中でついてきたもの。好きなボクシングに全力で打ち込めたと思うし、すごくすがすがしい」
-今後、兄弟は。
「大毅も和毅も成人した大人。大毅は結婚もしているし、オレからとやかく言うことはない。和毅はまだ24歳で世界チャンピオンにもなっている。若いというのは強い。練習したらもっと強くなるので、すごいボクサーになってほしい」
-一番記憶に残っている試合は。
「すべてが記憶に残っている。全部が重要な試合で宝物」
-子供たちにボクサーとしての記憶は残してやりたいか。
「残したくないね。フツーのお父ちゃんになりたい」
-今後、どうボクシングに関わっていくのか。
「まだ(引退を)決めたばっかりで何も考えていません。今は早く焼き肉食べたい」
-格闘技団体がオファーするという話があるようだが。
「ビッグチャンスやないの(笑い)。それは無理。闘えへん」
-改めて会見の予定はあるか。
「オレはもうフツーの人やで。他のボクサーのとこ、行ったって。ほな、サイナラ~」
(事務所の車で空港を後にした)