向井寛史“普通の左”で王者・大森撃つ

六島ジムでスパーリングを公開した向井
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 「日本バンタム級タイトルマッチ」(9月16日、島津アリーナ)

 同級6位・向井寛史(29)=六島=は26日、王者・大森将平(22)=ウォズ=に挑む王座戦に向け10ラウンドのスパーリングを公開した。名門・南京都高の(現京都広学館高)後輩王者は“魔の左”を武器にKOを量産する逸材ながら「左を出させない」と、技術力とスピードで攻略する。

 プロデビュー後、フライ級、スーパーフライ級を主戦場としてきたが1階級上へ転向。4月の前戦では元東洋太平洋王者の冨山浩之介(ワタナベ)を相手に判定で完勝した。

 パートナーの東洋太平洋スーパーバンタム級6位のジョー・ミサコ(フィリピン)を相手に行ったスパーリングでは、バンタム級で力強さを増した姿を披露した。強打の大森対策として、左に回り込みながら左右のボディー撃ち。中間距離から的確にワンツーをヒットさせ、最終ラウンドまで力負けしなかった。

 「体重も初めて60キロに乗せて、腕回り、上半身に筋肉を乗せた。上半身任せになると(連打の)回転が落ちることもあったけど、きょうはうまく力が抜けていた」と、上々の手応えで振り返った。

 南京都高でともに名伯楽・故武元前川監督を師と仰ぐ。7歳違いで、自身が日大時代、母校でボクシングを始めたばかりの大森を指導した。今は立場が逆転。だが自身は11、13年と敵地で2度の世界に挑んだ経験がある。いずれも世界タイトルには届かなかったが、再び世界戦線に臨むためにも、後輩を撃たねばならない。

 「どれだけ手を出させないか。パワーではいけないと思わせるのが一番。向き合った時のプレッシャーのかけ方」と、剛に対しては柔。戦績は11勝3敗2分けで1KOと「パワーボクサーではない」と言い、「1ラウンド目がカギを握る。いかに印象あるパンチを見せられるか」と、先制攻撃を予告した。

 同校はWBCバンタム級王者・山中慎介(帝拳)、ロンドン五輪金メダリスト・村田諒太(帝拳)を輩出した名門。山中の“神の左”に対抗し、大森は自らの大砲を“魔の左”と命名した。向井は「神、魔と言っても、当たらなければ意味がない。だから普通の左で行きます」とニヤリ。武市トレーナーは「普通が一番、強いんです」と、うなずいた。

 日本タイトル戦では異例の、当日深夜に毎日放送が録画放送することも決まった。「テレビはビックリしましたよ。大森主体でしょうけど、食ってしまえば名前を売れる。村田の同級生というカテゴリーじゃない。自分一人で名前を売るチャンス」と、一世一代の大勝負へ意気込んだ。

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