粟生2回TKO負けで3階級制覇ならず
「WBO世界ライト級王座決定戦」(1日、ラスベガス)
日本ジム選手として4人目の世界3階級制覇を目指し、日本時間2日(現地1日)に米ラスベガスでWBO世界ライト級王座決定戦に臨んだ同級1位の粟生隆寛(31)=帝拳=が同4位のレイ・ベルトラン(33)=メキシコ=に2回1分29秒TKO負けした。
粟生は2回に強烈な右フックを浴びてダウン。立ち上がったものの、ベルトランのラッシュにロープ際に押し込まれたところでレフェリーが割って入った。
なお、勝ったベルトランは前日計量で体重超過したため、王座は空位のまま。計量で粟生はリミットを400グラム下回る61・1キロで問題なくクリアしたが、ベルトランが450グラムオーバー。再計量でも180グラム超過し、失格となった。このため粟生が勝てば王者、ベルトランの勝ちなら王座は空位のままという変則タイトルマッチとして行われることになった。
計量失敗のベルトランだったが、動きは悪くなく、初回から右ストレート、左フックで圧力をかけ、粟生をロープに詰める。劣勢の粟生は2回に右フックをまともに浴びてダウン。立ち上がったが、ダメージが残り、連打を浴び、いいところがないまま試合を止められた。
千葉・習志野高時代に高校ボクシングで史上初の6冠を獲得した粟生は鳴り物入りで2003年9月にプロデビュー。09年3月にオスカー・ラリオス(メキシコ)に判定勝ちし、WBC世界フェザー級王座を獲得した。初防衛に失敗したが、10年11月にWBC世界スーパーフェザー級王者ビタリ・タイベルト(ドイツ)を判定で破り、2階級制覇に成功。この王座は12年10月の4度目の防衛戦で手放した。今回が2年半ぶりの世界戦だった。
粟生の通算戦績は32戦27勝(12KO)4敗1分け。ベルトランは38戦30勝(18KO)7敗1分け。