宝塚花組新人公演 珍しい役替わり上演

 宝塚歌劇団花組新人公演「ME AND MY GIRL」が17日、兵庫県の宝塚大劇場で行われた。今回は新人公演では珍しく1部と2部が役替わり制。1部は主人公のビルを優波慧、ヒロインのサリーを城妃美伶、2部のビルを綺城ひか理、サリーを音くり寿が演じた。

 城妃以外は初主演初ヒロイン。優波は「何事も遠回りしてしまう自分が、この役を演じることによって、前に突き進む勇気を持てた」と振り返った。1部は帽子や懐中時計などの小道具を使う場面も多く、「心からのお芝居がしたいと思っていましたが、そこまで達することができなかった」と悔しそうな表情を見せた。それでも帽子の取り扱いの失敗を笑いに変えるなど、舞台度胸も抜群。下町感たっぷりのビルを堂々と演じた。

 また何度もヒロインを演じてきた城妃も「役が難しく、壁にぶち当たり、家で何度も泣きました」と明かした。「でも優波さんにひっぱっていただき、ここまで来ることができました」と感謝の言葉を送った。

 綺城は「1部で温めていただいた芝居に、2部から入って行くのは恐れ多かった」と役替わりの難しさを口にした。華のある容姿で、スター性も抜群。だが「銀橋を渡るときが、暗くて怖かった。不慣れで恐怖がありました」とスターの特権である銀橋の一人渡りに恐怖を覚えるなど初々しさを見せた。

 初舞台から3年目の音は、2部の幕開きで堂々たるソロを披露。「セリや盆など、経験があまりないので、不慣れなことばかり。東京ではもっと心からの芝居ができるようになりたい」と反省点をあげた。

 7月7日に行われる東京の新人公演では、今回とは逆に、1部を綺城と音が、2部を優波と城妃が演じる。

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