歌舞伎俳優の中村勘九郎（３３）が１日、東京・浅草で「平成中村座　陽春大歌舞伎」の初日を迎え、エイプリルフールの大うそで観衆を沸かせた。

　初日を告げる「一番太鼓」のセレモニーのあいさつで、「うれしいご報告があります。弟・七之助がやっとみなさまにうれしいご報告ができます」と、実弟・中村七之助（３１）の結婚を示唆する電撃発言。集まった１００人のファンや報道陣からは「おー！」と歓声がわき上がった。

　だが、当の七之助はしきりに両手で４と１を作り、苦笑い。勘九郎はすぐ「エイプリルフールでございます！」と暴露し、会場は爆笑に。七之助が「兄は朝から１０くらいうそをついてます」と明かしたが、勘九郎はうそ成功にしてやったりの笑顔。２月にトリンドル玲奈（２３）との交際報道があった七之助は、報道陣の問いにあらためて、「全然ないです」と強調した。

　「一番太鼓」は父の故中村勘三郎さんが復活させた、興行初日を告げる太鼓。勘九郎は田中傳左衛門（３９）のたたく太鼓の音色に聴き入り、「パワーをもらいました。一生懸命やらなければと思う気持ちでいっぱいです」と大粒の涙を流す一幕もあった。七之助は「父も絶対上で喜んでいます。舞台が良くないと怒られると思うので、あとは舞台をちゃんとしたい」と熱演を誓った。

　５月３日まで浅草寺境内の仮設劇場で。