白鵬アルツハイマーの父と成績並び感涙
大相撲春場所(27日千秋楽、エディオンアリーナ大阪)で4場所ぶり史上最多36度目の優勝を果たした横綱白鵬(31)=宮城野=が28日、大阪市内で一夜明け会見を行った。
赤ら顔で登場した横綱は「おかげ様でおいしいお酒が飲めました。ずーっとシャンパンばかり飲みました」とご機嫌そのもの。
「(36度の優勝は)オヤジに並んで、8カ月ぶりのというのがあってね、こみ上げた。そういうのが涙に変わった」。父ジグジドゥ・ムンフバトさんが、年1度のモンゴル相撲で6度優勝しており、年6場所換算でV36の目標を果たしたことは格別の喜びだった。
昨年名古屋場所以来の美酒。同秋場所では横綱で初めて休場を経験した。「引退というのを横綱は常に背負っている。秋場所はその2文字が頭をよぎった」と追い込まれた。
そこから「これで終われない。行くんだ」と奮起。今場所、初日に宝富士に不覚を取ったが、「いい薬となった。あれで火が付いた」と考えて2日目から14連勝。「いろいろ経験してきた。それが実を結んだ」と復活を遂げてみせた。
一方で、千秋楽の結びの一番は横綱日馬富士を相手に左に変化して勝ったことに館内は大ブーイング。「勝てば何をやってもいいのか!」などのヤジも飛んだ。優勝インタビューでは「本当に申し訳なく思います」と、涙を流し、異例の謝罪まで行った。
「あれで決まるとは思わなかった。自分でも悔しい。勝ちたいという気持ちが出た」と釈明。稀勢の里が2敗を守り、自身が負ければ優勝決定戦となっていたが、「稀勢も9日目に(変化が)ありましたから、あまり文句言わないだろう、と。勝負ですからね」と、言い切った。
父は現在、アルツハイマー病に侵され闘病していることも明かした。「何とか分かる立場(レベル)にいるからね。あんまり難しいこと言うとわからない。アルツハイマーは最近のことは分からない。昔のことはよく思い出すんですね」と、祖国の父を思った。自身にも3人の子供がおり「次は私の番。立派な歴史を作っていきたい」と、語った。
改めて次の目標には史上3人目の通算勝ち星1000勝を挙げた。あと28勝であることを聞かされると「名古屋ですかね。順調に行けば名古屋」と、2場所で決めることを誓った。





