15歳池江璃花子 100自で日本新

 「競泳・東京都選手権」(31日、東京辰巳国際水泳場)

 「53秒99」。電光掲示板にタイムが表示されると、会場は騒然となった。女子100メートル自由形で、中学3年生の池江璃花子(15)=ルネサンス亀戸=が日本新記録を樹立しての優勝。大会を通じて4冠となり、最優秀選手賞(北島康介杯)も獲得した。

 12年に上田春佳がマークした日本記録を0秒01更新した15歳は「何が起きたかわからなくて、驚いて涙が出ました。練習の疲れもあったので、まさか日本新記録が出るとは」と興奮気味に話し、「54秒と53秒99では大きな差がある」と快挙達成に胸を張った。

 序盤から積極的に飛ばし、最後まで失速しなかった。「ラストは苦しかったけど、このままだと4種目とも自己ベストが出ないまま大会が終わってしまうと思って、最後まであきらめずに泳いだ」。ロンドン五輪代表の松本弥生(ミキハウス)を振り切り、「横で弥生さんが見えたので負けたくなかった。自信がついてきている後半で勝負した」と根性を見せつけた。

 成長著しい15歳は昨年4月以降、中学新記録を17個マーク。10月のW杯では、女子100メートルバタフライで日本新記録を樹立した。初出場の世界選手権では予選敗退に終わり、その悔しさをバネに、次なる夢舞台を目指し歯を食いしばってきた。「元々きつい練習は嫌いだけど、グアム合宿までして苦しいことをするのはリオ五輪に出るため」。昨秋から取り組んできた後半のスピード強化が、快挙に結実した。

 リオデジャネイロ五輪代表選考会を兼ねた4月の日本選手権(辰巳)では、リレー代表だけでなく、個人の派遣記録(53秒81)突破も視界に入る。「世界選手権ではリレー代表に入ったけど、今年は個人の派遣記録を切りたい」。日本勢では前人未到の記録をたたき出し、夢の五輪で世界のスプリンターたちと戦う。

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