負けず嫌い、冷静…羽生の知られざる一面

 11日開幕のフィギュアスケート、グランプリ(GP)ファイナルで2連覇を目指す羽生結弦(20)=ANA=の、知られざる一面が浮き彫りになった。9日放送のテレビ朝日系「報道ステーション」で、GPシリーズ第6戦・NHK杯フリー翌日の11月30日に松岡修造キャスターから受けたインタビューの内容から改めて検証した。

 (1)負けず嫌い

 「悔しかったですね。久しぶりに悔しくて泣いたなあ。控え室の中で『今日何がダメだった、これがダメだった』と口で言いながら、ずっと涙が止まらなかった」

 11月8日、GPシリーズ第3戦・中国杯フリー前の6分間練習での激突負傷から3週間。強行出場したNHKではショートプログラム(SP)、フリーともにミスが目立ち、4位に終わった。同29日のフリーの演技後は「これが僕の実力です」と潔く話していたが、心の中では悔しさが渦巻いていた。

 (2)冷静

 「やっぱりいろんな声が聞こえたんですよ。自分でも驚くくらいにワイドショーでやっていて、いろんな人たちが…。あれはフィギュアスケートの問題じゃなかったんですよ。一スポーツの(体の)状態として、あれを出すのはどうなんだ、と。でも僕たちはあの時(医師の診断を)信じるしかなかった。こうやって結果(中国杯2位)も頂けたんだから、次のことを考えようと…」

 11月9日に中国から帰国後、しばらくは安静にしていた。その間、テレビのワイドショーが自身を大きく取り上げていることに驚きながらも、識者らの発言に耳を傾けた。自身の一挙手一投足が半ば社会問題のようにもなっていた中で、冷静に判断してNHK杯出場を決めた。

 (3)絶望

 「本当は『(医師から)1週間しっかり安静にして、痛みが引き始めたら徐々にリンクに乗ってもいいよ』って言われてたんですけど、全然引かなくて、結局10日間滑れなくて…。10日後に初めて乗ったんですけど、もう絶望しました。もうダメだって思いました。初めて自分から親に『(NHK杯に)出ない』って言いました」

 羽生は11月28日のNHK杯SPで連続3回転を失敗するなど5位発進。「やってしまったというのが正直な感想」と悔やみながらも「ここにいるのが奇跡と思っている」と、かみしめるように話していた。絶望の淵からはい上がってのNHK杯出場だった。

 (4)ストイック

 「『ああ情けないな』ってすごく自分で思うんですけど、そんなこと考えるよりも、まず課題が見つかって、次の試合に行けて、次のもう1個の課題を克服するチャンスがきたってこと。それはもう、こんな恵まれたことはないですよ。どんだけ高い壁が用意されてるのっていうぐらい、高い壁がいっぱいあるんですよ」

 NHK杯で悔しい思いをしながらも、成長の糧を見つけたことを喜んだ。松岡氏に「課題好きですか」と聞かれ、羽生は「「もう課題大好きです。だってそれを乗り越えたら、ぜったいその『上』があるわけじゃないですか。そしたらまた『上』があるし」と、喜々として語った。

 ソチ五輪金メダリストのさらなる挑戦。9日に開催地バルセロナ入りした羽生が出場するSPは、日本時間13日の午前5時から始まる。

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