中京学院大・吉川、祖父に捧げるV

 「東海地区大学野球連盟岐阜リーグ、中京学院大7-2岐阜経大」(18日、長良川球場)

 中京学院大が連勝で全チームから勝ち点を挙げ、2季ぶりの優勝を決めた。ドラフト1位候補の吉川尚輝内野手(4年・中京)は、最終打席で1安打を放ち、打率、打点の2部門でトップに立って春のシーズンを終えた。

 「最後は開き直って行こうと思いました」と吉川。4打席ノーヒット(1四球)で迎えた八回の第5打席、痛烈な打球が右前に弾んだ。この一打で試合中に陥落していた首位打者の座を再びたぐり寄せた。「この春は首位打者を目標にしていたので、良かったです」。8球団12人のスカウトが見守る中、“底力”を見せた。

 優勝決定後には満面の笑みを浮かべ「優勝できたことが本当に良かったです」。今季は3番打者としてフルイニング出場し、全試合で安打を放った。リーグ戦中だった7日に母方の祖父が急逝。試合後に球場から会場へ直行し通夜、告別式に参列したこともあった。

 「本当に野球が好きなおじいちゃんで、ホームランもおじいちゃんが打たせてくれたと思います」と明かした吉川。その直後、朝日大との第3戦では勝ち越しとなる大学初アーチも放った。打線の軸としてチームをけん引し、手にした優勝。「おじいちゃんも喜んでくれてると思います」と笑みを浮かべる。

 28日には静岡リーグ、三重リーグの王者と全日本大学野球選手権の出場権を争う。過去2年は試合に出場しながらも結果を残せず敗れた。「何としてでも勝ちたい。あれこれ考えず、初球からしっかり振って行きたい」と力を込めた吉川。高校、大学を通じて初となる全国の舞台へ-。最後の関門にすべての力を注ぐ。

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