小山氏断言「大谷はダル、マー超える」

阪神打線を圧倒し、ファンの声援に帽子をとって応える大谷(撮影・田中太一)
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 日本ハムの“二刀流”大谷が、公式戦初の甲子園で圧巻、驚がくの投球を披露、今季6勝目を挙げた。

 150キロ超の速球を主体に初回を難なく三者凡退にとると、二回は4番・ゴメスに3試合連続となる自己最速タイの160キロをマーク。2死後には今成にも初の1試合2度目となる160キロで空振り三振に仕留めた。

 この後はもう大谷の独壇場。五回まで1人の走者も許さずにパーフェクト投球を続け、六回も新井貴、梅野を連続三振に斬って取ったが、9番・大和には変化球を左前に運ばれて初安打を許した。

 だが、七回から八回には緒方、鳥谷、ゴメスと3者連続三振で自己新となる11奪三振を記録。2死後、今成と対した際に体調に変化が見られたことから、首脳陣の判断でこの回で降板した。

 8回1安打無四球で無失点。阪神打線に二塁も踏ませず、堂々と聖地での初先発を終えた。それでも、試合後のヒーローインタビューで「調子自体はあまりよくなかった。ブルペンではバラバラだった」と言うのだから、空恐ろしい。「試合に入ってしかり投げられた」という高い修正能力に、通算320勝を挙げ、辛口評で鳴る“虎のご意見番”小山正明氏も大絶賛した。

 「器が違うね。今の阪神打線が打てるはずがない。全く余裕綽々で投げていたしね。二刀流で試合に出ている負担は相当なものがあるのに、こんなピッチングができる。近年まれに見る大きな器を持った選手だよ」

 前日は高校時代のライバル・藤浪が自己最多の13奪三振で8回1失点と好投したが、小山氏はこの藤浪と大谷を比較してこう断言する。「残念ながら大谷と藤浪では“大人と子供”ですよ。投げ方自体全然違う。藤浪は下半身の使い方がまだ十分ではないが、大谷はバランスがいいから崩れない」。綺羅星のごとく好投手を見てきた小山氏の指摘だけに説得力がある。

 プロ入り2年目で早くも風格すら見せ始めている右腕は、一体どんなレベルの選手に育っていくのか。

 「下半身さえもっと鍛えれば間違いなくダルビッシュや田中将を超える選手になるだろう。それだけの器ですよ。ただ今の二刀流を続けるのであればわからない。首脳陣が彼を“客寄せパンダ”にしないことを強く望みたいね」

 ダルビッシュや田中将さえしのぐ大投手になれる‐。そう予言する小山氏には、二刀流での出場が過酷すぎると映っているようだ。日本ハムどころか、日本球界にとっても至宝となり得る大谷。今後の大活躍が本当に楽しみだ。

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