「タイガース６－１エンゼルス」（３０日、デトロイト）

　エンゼルスの大谷翔平投手（２３）は５回３安打１失点と好投したが、勝敗はつかなかった。８３球を投げて５奪三振３四球。六回の味方の攻撃中にこの日２度目となる４１分の降雨中断により、交代を余儀なくされた。

　大谷が「勝負どころ」と振り返った、同点の五回２死二、三塁の場面。移籍後自己最速となる１０１・１マイル（約１６３キロ）の剛速球で投ゴロに仕留めた右腕は一塁へ走る打者走者をタッチ。そのままグラブを掲げてアウトをアピールした。

　「打たれるか、打たれないかっていうのはすごい大きいこと。あそこでしっかり抑えれたのはよかったと思います」

　強い気持ちが見えたプレー。意気揚々とベンチに戻ろうとする大谷が球審に呼び止められたのはその直後だ。ソーシア監督、水原通訳も加わった４人の話し合い。最後のプレーに関することなのか、それとも…。

　試合後の大谷が会話の内容を明かしてくれた。

　「あれは、もう１回、雨が来そうなので、マウンドが悪くなった時はいつでも言ってくれれば、マウンドをならしてあげるよ、という感じのことでした」

　六回途中の２度目の降雨中断により、続投はなくなった大谷。しかし、球審の見せた気遣いは日本からやって来たルーキーへのリスペクトと言っていい。