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　茅原が悲願のＶ―。絶好の水面コンディションの中行われた優勝戦は、１号艇の佐藤翼がコンマ０７のＦ―。２コースから冷静にＳを決めた茅原悠紀（２５）＝岡山・９９期・Ａ１＝が１Ｍを先制し、Ｖを奪取。新鋭卒業の年を有終の美で飾った。またこの優勝により来年のＳＧ総理大臣杯（３月１５〜２０日・平和島）への出場権を獲得。なお２着は西村拓也、船岡洋一郎が３着に入った。

優勝トロフィーを手に笑顔の茅原悠紀（左）と南明奈

 

「もうヤバかったです」

　日々積み重ねてきたものがようやく報われた。Ｖゴールを決めてピットに戻る、茅原の目は真っ赤。「やっとここまできたって感じですね。同期が駆け寄ってきたときには、もうヤバかったですね」。歓喜の初タイトル奪取に感極まった。<br>

　レースでは、冷静そのものの立ち回り。「Ｓした時点で佐藤君がＦを切ったのは分かったので、１Ｍは西村さんに包まれないように“２等”で出ようと思いました」。イン佐藤が戦線離脱して先頭に立つと、あとは独走状態。抜群の集中力を発揮してのＶだった。

　茅原にとって新鋭王座は、レーサー人生の中でも節目だった。初出場の１１年宮島では準優でＦ。「プロとは言えない、アマちゃんなレースをしてしまいました」と振り返る。そして今年１月の芦屋は、優勝戦１号艇で２着。「新鋭王座自体に思い入れはそんなにないけど、その過程は全部無駄じゃなかった」と、３度目の正直に胸をなで下ろした。

　新鋭王座に思い入れがないのは「ＳＧを目標にやってきた」からだ。早くも視界は１０月の福岡全日本選手権に向き、今回のＶで出走に大きく近づいた地元・児島のチャレンジカップを意識している。

　だから今回も祝杯はなし。通常より約４キロ絞った減量の成果を帳消しにしたくないからだ。「体重を増やしたくないんです。帰りに豆腐を２丁買って、あとは炭酸水でおなかをふくらませてやろうかと思ってるんですよ」。どこまでもストイックな新チャンプ。今回で新鋭卒業となるが「ホッとはできないですね。今、満足したら僕は終わります」と、気の緩むところが全くなかった。

【優勝戦ＶＴＲ】

　ピット離れに大差はなく、Ｓ展示同様枠なり３対３でスタート。スリット直後にイン佐藤にＦコール。２コース茅原が先制スタイルでＢＳへ。４カドからやや伸びた黒井は３コース西村が１Ｍ握ったために差しに変更。５コース船岡は最内差しへ。ＢＳは１艇身リードした茅原に西村、船岡が接近。２Ｍ先マイ敢行の茅原がＶ一直線。外マイの西村が２着を確保。船岡と道中追い上げた黒井で３着争いに。２周１Ｍ、内から握って回った黒井が引き波に入ってもたついたところを、船岡が差して３着を奪取。