ホーム > 競馬・レース > 12ボートレースSG・G1 > 第13回名人戦(G1)

G1・名人戦

悲願G1初制覇!!

井川 デビュー31年で初タイ獲る

2012/04/29 下関12R

                                   
▼G1・名人戦
着順連番 選手名 住所進入 ST
1着 A 井川 正人 長崎 A

07

2着 C 西島 義則 福岡 @

06

3着 E 今村 豊

山口

C

04

4着 @ 山室 展弘 岡山 E 12
5着 B 瀬尾 達也 徳島 B 11
6着 D 吉本 正昭 山口 D 10

 井川が悲願のG1初優勝―。優勝戦はコース取りから大波乱となった。4号艇の西島義則にインを奪われた、1番人気の1号艇・山室展弘がまさかの6コース。そんな波乱ムードでも、枠なり2コースを確保した井川正人(54)=長崎・47期・A2=がまくって1着。通算30回目の優勝がうれしいG1初制覇となった。2、3着には西島、今村豊が入り、3連単は2万円を超える配当で決着した。

 

G1初優勝を飾り水神祭を行う井川正人

最後に届いたこん身S

 

 ピットで怒った姿を見たことがない―。関係者の誰もがそう思うくらいに、常にリラックス&ほがらかムードの井川が第13代名人位についた。
 初めて挑む名人戦のファイナルでも、緊張した様子は見られなかった。ただ、井川自身は「進入には気合が入っていましたね」と語る。なぜなら今節4日目の5R、白カポック着用の井川は、2号艇の西島にインを強奪されたからだ。「あれがあったんでね。西島君を警戒していましたが(ピット離れで)遅れてしまいました」。それでも勝利の女神は井川を見放さなかった。「3コースで仕方ない」と思っていたのに、山室が大外に出て、労せずして2コースが手に入った。
 あとはSだけ。「ずっと届かなかった」というスタートだが、優勝戦本番はコンマ07。深インの西島をまくるには最高の踏み込みだった。1Mは瀬尾が差したようにも見えたが、強力脚を誇る井川には関係なし。あとは1496回の1着時と同じターンをするだけ。きっちりと3周し、自身初のG1優勝を飾った。
 デビューして31年半での美酒。「まだ夢心地ですね。優勝したことが信じられません。レースした記憶も残っていない感じです」。ただ、昨年1月に誕生した初孫に話が及ぶと「女の子。ホントにかわいいね」と“じいちゃん”の顔に。
 この優勝でSG「第48回総理大臣杯」(13年3月15〜20日・平和島)の出場権をゲット。また、今年の賞金ランクも21位まで上昇し「チャレンジカップ」(11月20〜25日・児島)での、SGデビューが視野に入ってきた。制度の変更で「今回使ったトルク感のあるいいペラ」はもう使えないが、長崎のヒゲジイは「名人」の称号を得ても、今までと変わらずリラックスムードでレースに臨む。

 

 

1周2M

【優勝戦VTR】

 S展示は142356の全艇スローだったが、本番は西島がインを強奪。山室も枠主張で回り込んだが、2コースまで。結局、深い進入を嫌った山室が回り直して大外(山室、西島とも待機行動違反)となり、4236・51の隊形に。インの西島がコンマ06と踏み込んだが、2コースの井川が1Mまでにグイグイ伸びてまくり敢行。G12回目の優出で初優勝を飾った。瀬尾と西島で2番手争いだったが、2周1Mで内を切り込んだ西島が2着に。2周2Mで内を突いた今村が3番手に浮上。山室の猛追をかわして3着に入った。

 

 

山室まさかの4着…6コースに場内ざわめき

 圧倒的1番人気の1号艇・山室展弘が、まさかの大外6コースになるという予想外の進入となった。結局、山室は見せ場なく4着に終わった。
 西島のイン狙いを警戒した山室は、小回り防止ブイを大きく張ったため、すかさず西島が空いたイン水域へ。山室は、その西島をかぶせるように前へ付ける進入でイン死守を計るも失敗。そのままではあまりにも深くなると判断した山室は回り直したため、大外6コースとなった。
 ダントツの1番人気を背負っていた山室の6コースには、場内もざわめく事態となった。レース後、山室は「変な進入になったけど、あれは想定内」とだけつぶやき、控え室に消えた。結局、山室と西島は、ともに待機行動違反を取られた。



西島義則(2着)

 インの起こしは90メートルまで入ったけど、想定内やった。S放ったのが失敗やけど、あのタイミングなら放って正解やな。

 

今村 豊(3着)

 ペラしか整備はしてないけど、最終日が一番出てた。S少し放ったし、1Mで、まくり差しを狙ったけど前が詰まった。

 

瀬尾達也(5着)

 予想外の進入になったし、仕方ない。エンジンは出てたけどね。

 

吉本正昭(6着)

 1Mは差しに構えたけど、他も差しに変わったので何も出来なかった。脚は強力だったよ。

 井川正人(いかわ・まさと)1957年12月24日生まれ。54歳。長崎県在住。身長159センチ、体重50キロ。長崎県立諫早高を卒業後、長崎県立建設大学校へ。社会人を経験後、本栖学校に47期生として入学。80年11月に大村でデビュー。SG出場はないが、G1は87年12月の多摩川新鋭王座で初出場。デビューして18年3カ月の99年1月、尼崎周年で初優出(6着)で、今回が2度目の優出で初V。通算1497勝、優勝30回。今年の獲得賞金額は1798万2800円、通算は6億8724万7651円(4月29日現在)。家族は妻と2男、1女。

Copyright(C) 2011 デイリースポーツ/神戸新聞社 All Rights Reserved.
ホームページに掲載の記事、写真などの無断転載、加工しての使用などは一切禁止します。ご注意下さい。
当サイトは「Microsoft Internet Explorer 4.x」「Netscape Navigator/Communicator 6.x」以上を推奨しています
Email : dsmaster@daily.co.jp