大久保洋師 名馬を育て人を育てた

 2月末で東西合わせて8人の調教師が定年を迎える。美浦では牝馬G1・5勝のメジロドーベルなどを育てた大久保洋吉調教師(70)が、28日中山のメーン・総武Sに目下3連勝中のベルゲンクライで有終Vを狙う。また栗東でも、98年のダービー馬スペシャルウィークなどを管理した白井寿昭調教師(70)が、その手綱も取った武豊とのコンビで、27日阪神12Rにマノワールをスタンバイさせた。

 関東の名将・大久保洋師がターフを去る。「上を見たらきりはない。ダービーを勝ちたかった(04年ハイアーゲーム3着が最高)という気持ちはあるが、長年、馬に携わってこられて楽しかったよ」と感慨深げに振り返る。

 97年オークス、秋華賞を含むG1・5勝と活躍したメジロドーベルを筆頭に、ショウナンカンプ(02年高松宮記念)、ショウナンパントル(04年阪神JF)などの名馬を育てた。

 人も育てた。一番弟子となる吉田豊は1000勝ジョッキーになった。「G1を勝っても褒めたことはない。桜花賞(メジロドーベル=2着)は下手に乗ったからな」。ただ、それも愛情の裏返し。周囲の声に惑わされることなく、当時デビューして間もなかったまな弟子をドーベルに乗せ続けた。また土田、戸田、尾関、高橋文各調教師も大久保洋厩舎の出身だ。美浦トレセンに坂路が完成してからは、1日に3本追う独自の調教法を確立し新風を吹き込んだ。

 祖父・福松、父・末吉ともに調教師という競馬一家に育ち、76年に調教師免許を取得。22日現在、JRA通算878勝(うちG1・7勝を含む重賞42勝)をマーク。27日中山11R・総武Sのベルゲンクライが最後の出走馬になる。ダートで3連勝中の上がり馬に、「もっと早くダートを使っていれば、フェブラリーSに出られたかな」と後悔するが、穏やかな口調で「今回は2連勝している舞台。楽しみだよ」と有終Vに期待を寄せた。

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