倍賞千恵子、高倉健さんの素顔を述懐

 女優の倍賞千恵子(74)が25日、都内で開催中の「第28回東京国際映画祭」で行われた、追悼特集上映「高倉健と生きた時代」に登場。昨年11月10日に高倉健さん(享年83)が逝去後、初めて公の場で健さんへの思いを語った。「2度と出てこないタイプの俳優さん。映画界にとって大事な方を失った思いです」と天国の名優をしのんだ。

 健さんとは「幸福の黄色いハンカチ」(77年、山田洋次監督)、「遙かなる山の呼び声」(80年、同)、「駅 STATION」(81年、降旗康男監督)の3作の映画で共演した倍賞。一周忌を前に胸に秘めていた思いを初めて口にした。

 「渥美清さんや笠智衆さんみたいに、二度と出ていらっしゃらない俳優さんだと思う」と明かし、「山田(監督)さんは『素晴らしい俳優さんは“ぜい肉”が少ない』とおっしゃいますが、それが高倉さんだと思います。“ぜい肉”とは自信がなくて小細工することで。そんな俳優さんになりたいし、そんな人間でありたいと思う先輩です」と、希代の銀幕スターに敬意を表した。

 健さんへのメッセージを問われると、「突然いらっしゃらなくなって、とてもショックでした。先日、友人の川島なお美さんが亡くなったときもそうですし、渥美(清)さんも気付いたときにはいなくて」と、哀愁を漂わせた。

 「遙かなる-」では、健さん演じる主人公に恋心を寄せる役どころ。「『行かないで』と男の人にすがりつく役は初体験でした。男と女が入ってきて、濃かった」と当時を述懐。「お茶を飲んでるとき、健さんが時計を外して、お水の中に落としたんです。『大丈夫です。これは防水です』と驚かせて」と“不器用な男”のおちゃめな素顔も告白した。

 「幸福の-」の“原案”ともされる曲を、鎮魂歌とばかりにアカペラで熱唱。関係者によると、健さんについて語る最初で最後の機会にしたいとイベントに臨んだといい、客席の映画ファンにとっては貴重な時間になった。

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