日本将棋連盟 谷川会長が辞任 三浦九段不正疑惑「対応に不備あった」

 日本将棋連盟の谷川浩司会長(54)は18日、東京都内で記者会見し、辞任を表明した。コンピューターソフト不正使用疑惑で「対応に不備があった」として責任を取った。不正はなかったと判断された三浦弘行九段(42)については「迷惑を掛けたことを深くおわびする」と改めて陳謝。将棋界を揺るがした一連の騒動は、トップが今年6月までの任期を残して辞任するという異例の事態になった。

 谷川会長は顔色が優れず、厳しい表情で何度も頭を下げた。伏し目がちに、ひと言ひと言絞り出すように話し、「もっと早い段階で手を打っておけば」と任期途中で退く無念さもにじませた。

 昨夏に三浦九段に対する疑惑の声が上がった時点で、電子機器の規制など対応を取らなかったことへの責任を強調。「対応に不備があった」としたものの、明確な説明は聞かれなかった。

 不正の証拠はなかったとされた昨年末の時点までは辞任の意向がなかったというが、年末年始の休暇の間に「かえって重圧を感じるようになった」という。出場停止処分を決めた10月中旬頃から「胃が痛くて食べられず、なかなか寝付けない」と、体調不良が続いていることも明かした。

 谷川会長の責任を問う声は問題発覚当初からあった。将棋界では「不正の証拠はないだろう」とみる関係者もおり、「疑わしきは罰せず」という対応も考えられたが、最終的に連盟は出場停止処分を決断した。

 昨年12月、第三者委員会が「不正の証拠はなかった」との調査結果を発表。連盟の判断も「やむを得なかった」と結論付けた。連盟は谷川会長らを減給にしたが、処分が軽すぎるという不満が棋士の間で高まっていた。

 谷川会長は三浦九段の復帰戦について、2月13日に羽生善治3冠と対局することが決まったと明らかにした。連盟と三浦九段側は今後も、名誉回復の方法や出場停止期間中の補償について協議を続ける。

 三浦九段は「このような結論になったのはとても残念。ファンのためにも早く将棋界が正常な状態に戻ることを願っています」とのコメントを発表した。

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