「逃げ恥」人気の陰にTBSの我慢あり 社長「やっと定着」 火曜ドラマ枠

 TBSの火曜ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」(後10・00、略称は「逃げ恥」)が人気を博している。視聴率は初回の10・2%から第2回が12・1%、第3回が12・5%と右肩上がりで、ビデオリサーチ社が10月から調査を開始したタイムシフト視聴率(録画視聴率)も初回は10・6%と絶好調。14年4月期から新設されたドラマ枠が開花し、武田信二社長も26日の定例会見で「やっと定着して認知され始めた」としみじみと語った。(数字はビデオリサーチ社日報調べ、関東地区の世帯平均視聴率)

 火曜夜10時からの1時間は14年まではバラエティー枠として知られていた。タモリがメーンの「ジャングルTV タモリの法則」が94年4月から02年9月まで続き、同じくタモリの「タモリのグッジョブ!胸張ってこの仕事」が半年放送された後、世界のさまざまな職業の給料や物価を当てるクイズ「世界バリバリ★バリュー」が05年9月まで。「世界バリバリ-」の枠移動に伴い、ダウンタウン、雨上がり決死隊ら大物芸人が総出演した「リンカーン」が始まり13年秋まで放送された。その後、ダウンタウン出演の「100秒博士アカデミー」が終了する14年春までがバラエティー枠だった。

 武田社長は定例会見で「あそこの火曜枠をつくるときに、いろんな議論があったことを思い出しました」と火曜ドラマがある種の冒険だったと打ち明けた。「勇気を持ってドラマ枠を開いたという経緯がありました。当初、苦労もしたと記憶しておりますが、やっと定着して認知され始めたなと認識しております」と「逃げ恥」の好スタートを喜んだ。

 TBSの火曜ドラマは若い女性をメーンターゲットに話題作を送り出してきた。昨年で言うと看護師に焦点を当てた堀北真希主演の「まっしろ」、名門幼稚園に子供を通わせる母親たちの人間模様を描く「マザー・ゲーム~彼女たちの階級~」などが放送された。

 今年に入ると漫画原作作品が続いた。1月期は深田恭子演じる“ダメ女”がディーン・フジオカ演じるS男とのやりとりが見ものの「ダメな私に恋してください」。4月期は漫画出版界の裏側に迫った「重版出来!」、さらに7月期の滝沢秀明と武井咲の恋愛劇「せいせいするほど、愛してる」と、いずれも漫画が原作。「逃げ恥」も20代から40代ぐらいまでをターゲットとしている漫画誌「Kiss」(講談社)に連載中の作品だ。

 エンディングで主題歌の「恋」に合わせて出演者が披露する「恋ダンス」の話題性もあいまって、公式動画配信チャンネル(TVer、TBS FREE、GYAO!)の合計で110万回再生を突破するなど、話題、リアルタイム視聴、ネットでの見返し視聴がいい循環を生み出している。視聴率が伸び悩んだ時期もあった中、視聴層の狙いを定めて2年半踏ん張ってきた我慢が報われたと言えるだろう。

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