知的障害者施設で19人殺害 元施設職員を逮捕

 戦後最悪の大量殺人が起きた。26日午前2時45分頃、相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」の職員から「刃物を持った男が施設に来ている」と110番があった。神奈川県警や消防によると、現場で19人が死亡し、26人が重軽傷。県警は殺人未遂と建造物侵入の疑いで、午前3時すぎに津久井署に出頭した元施設職員植松聖容疑者(26)を逮捕した。捜査本部によると「意思疎通できない人たちをナイフで刺したことに間違いない。障害者なんていなくなってしまえ」と容疑を認めている。

 生存の見込みが低い黒のトリアージタグが、19人に次々と付けられていく。多くはベッドに横になったままで、首に刺し傷などを負って衣服が赤く染まり、床にまで血が流れ出している部屋もあった。廊下には至るところに血痕が付着。多数が血を流して倒れ、壁にもたれかかっていた。

 重傷者を受け入れた東京医科大八王子医療センターの新井隆男救命救急センター長は「首ばかり狙われた印象。殺害しようという強い意図があったのではないか」と語った。

 消防によると、死亡した19人は19歳から70歳で男性9人、女性10人。死者の全員が支援の必要度を示す6段階の区分のうち、重い方の「4~6」に該当する知的障害だった。

 死者が見つかったのは2階建ての居住棟内で、男性が入居する西棟の1階で2人、2階で7人、女性が入居する東棟1階で10人。東棟東側1階の窓ガラスが割れ、植松容疑者は午前2時頃、ここから侵入したという。

 植松容疑者は車で出頭し、血が付いた包丁やナイフ計3本が入ったかばんを所持。乗っていたとみられる車のハンドルなどには多量の血痕が付着し、後部座席には茶色く変色した複数の結束バンドも置かれていた。

 政府関係者によると、植松容疑者は2月14日、大量殺人を予告した衆院議長宛ての手紙を議長公邸に持参。15日には座り込みや土下座をするなどし、職員が受け取った。警視庁麹町署は津久井署に注意を促したという。

 市や県警によると、植松容疑者は2月18日、施設関係者に「障害者を殺す」という趣旨の発言をし、津久井署が19日に事情聴取。「重度障害者の大量殺人は、日本国の指示があればいつでも実行する」と述べたため、市は精神保健福祉法に基づき措置入院を決め、植松容疑者は退職した。入院中の尿検査などで大麻の陽性反応が出て、診断は「大麻精神病」「妄想性障害」。退院は3月2日だった。

 戦後最悪の大量殺人-予兆は何度も、はっきりと示されていた。

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