新居浜工高電子機械部ロボフトV2狙う
新居浜工高(愛媛)の電子機械部が、2月22日に横浜市で行われた「第10回高校生ロボットアメリカンフットボール全国大会」で初優勝を果たした。自作のラジコン型マシンを操縦し、楕円(だえん)球を奪い合って得点を争う、通称「ロボフト」。21人の部員は全国大会連覇を目標に、ロボットの製作や改良、操縦技術の向上に励んでいる。
ラジコン型ロボットが楕円球を追いかけて疾走し、激しくぶつかり合う。縦7メートル、横3メートルのコート上で繰り広げられる迫力満点の競技「ロボフト」。その全国大会で、新居浜工高の電子機械部「チームあかがね」が、26チームによる激戦を勝ち抜き初優勝を果たした。
「優勝を目標に毎日活動してきた。生徒たちの努力が実りました」。顧問の直野圭剛教諭(40)が感慨深げに振り返る。決勝戦で同じ四国の強豪・高松工芸高(香川)を23-21で撃破。4度目出場での悲願達成だった。
試合は前後半3分ずつの計6分間で行われ、1チーム5台ずつ、計10台のロボットが相手ゴールエリアでのタッチダウンを目指してボールを奪い合う。
ロボットの大きさは縦、横、高さがそれぞれ20センチ以内で、重量は3キロ以内。「強度を保ちながら軽量化するのが大変」と全国大会優勝メンバーの吉村晃君(2年)は話す。
形状は大きく分けて「守備型」と「攻撃型」があり、相手をすくい上げるための「歯」がついているものや、ボールをキャッチしやすいように腕を広げたような形になっているものなど、それぞれ特色が異なる。
試合中に故障した場合は修理ができるが、その間は4対5の数的不利で戦わなければならないため、「壊れないマシンを作ることが大事だけど、壊れたときにいかに素早く修理できるかもポイント」と主将の酒井颯哉君(2年)。プロポ(無線操縦装置)を操る選手5人の操縦能力やチームワーク、作戦の優劣が勝敗を左右する。
日々の活動の中で、部員はロボットの設計、加工、プログラミングのすべてを行い、操縦の上達に励む。2月の全国大会で主力を担った3年生が卒業。チームは新1年生を迎え、5度目の全国舞台を目指している。
「全国大会はプレッシャーがあったけど、練習の成果が出せた。連覇したい」と優勝メンバーの井上稜太君(2年)。21人の技術者集団は作業服に身を包み、ロボットの改良に情熱を傾けている。
