人気マンガ「ＯＮＥ　ＰＩＥＣＥ（ワンピース）」が歌舞伎の演目となって上演されることが２１日、分かった。千葉・幕張メッセで開催された「ジャンプフェスタ２０１５」で発表された。「スーパー歌舞伎２（セカンド）」（２０１５年１０、１１月、東京・新橋演舞場）として上演されるもので、主演する歌舞伎俳優の市川猿之助（３９）は新たな試みに意気込んでいる。

　単行本の累計発行部数が３億２０００万部、日本のみならず世界中で愛される「ＯＮＥ　ＰＩＥＣＥ」が、４００年の伝統を誇る歌舞伎とコラボする。

　企画は１年以上前から水面下で進められていた。現時点ではストーリーや配役など、詳細は未定だが、原作のスペクタクル感とスーパー歌舞伎のケレンの演出は相性ぴったり。全身が伸び縮みする主人公ルフィの「ゴムゴムの実」の能力がどのように表現されるのか、注目される。猿之助は「この作品を歌舞伎にしようというのは、難しいけどやりがいのある挑戦です。ぼくにとっての大冒険」と意気込んだ。

　企画が具体化して、初めて歌舞伎の公演に足を運んだという原作者の尾田栄一郎氏（３９）は「美しい！！日本人の美というものがつまったこんなに美しい舞台を、ぼくは見たことがありません」と伝統美を絶賛。猿之助との対面も果たし「まさに天才。プロデュース能力もハンパじゃありません。この人に任せておけば安心だと思わせてくれる人物」と早くも成功を確信しているかのようだった。

　「ＯＮＥ　ＰＩＥＣＥ」は０４年の「ジャンプフェスタ」でミュージカル化され上演されたことがあり、舞台化は２度目となる。マンガ原作の歌舞伎は過去にも存在したが、「ＯＮＥ　ＰＩＥＣＥ」は魚人のジンベエ、ワノ国の侍の錦えもんやカン十郎ら歌舞伎風キャラもいるだけにぴったりとハマりそうだ。