山口洋子さん逝く…虎愛した直木賞作家

 「よこはま・たそがれ」の作詞などで知られる直木賞作家で作詞家の山口洋子(やまぐち・ようこ)さんが、6日午前1時6分、呼吸不全のため、入院中だった都内の病院で死去していたことが、15日、分かった。77歳。葬儀・告別式は近親者のみで済ませた。喪主は妹安原多恵子(やすはら・たえこ)さん。お別れの会については未定としている。

 数々のヒット作を手がけて昭和の歌謡史を彩り、作家としても直木賞を受賞するなど多方面で活躍してきた才媛が、静かにその人生に幕を下ろした。

 山口さんは、昨年1月に誤嚥性(ごえんせい)肺炎で入院し、その後も入退院を繰り返した。車いすながらも、主治医と定期的に散歩をするなど安定していたが、今月5日になって容体が急変。最期は近親者にみとられ、息を引き取ったという。

 山口さんは、デイリースポーツ紙上でコラム「つれづれ日記」を連載していた2008年に足を骨折し、連載を休載。1987年には脳疾患も発症するなどしていた。

 山口さんは37年5月10日、名古屋市で生まれた。57年に東映ニューフェイス4期生に選ばれ、女優デビュー。女優を断念した後、東京・銀座に高級クラブ「姫」をオープン。お酒はほとんど飲めなかったというが、歯切れのいい物言いと博学ぶりで店はたちまち人気となり、三船敏郎、菅原文太ら映画スター、作家、プロ野球選手らが常連となった。

 クラブ経営の傍ら、68年ごろから作詞家としても活動するようになり、五木ひろしの「よこはま・たそがれ」や中条きよしの「うそ」、石原裕次郎の「ブランデーグラス」など数多く手がけた。「よこはま‐」では、体言止めを多用した歌詞が話題となった。また、作曲家・平尾昌晃氏とのコンビで70年代にはあまたのヒット曲を世に送り出した。

 80年代には小説の執筆も始め、1985年には「演歌の虫」「老梅」で直木賞を受賞した。クラブママとして経験を生かし、男女の色濃い恋愛を描いた。

 熱烈な阪神ファンだった山口さんは、本紙で「女(め)らんめえ 阪神 恋歌」や「惚れた虎だよ また惚れた」などを連載し、“阪神愛”をいかんなく発揮。取材と激励を兼ねて、球場やキャンプ地などへも積極的に足を運んだ。そこでも選手たちと交遊の輪を広げ、多くの野球選手からも愛された。

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