【1】プロ初戦に寝坊!1時間前に電話

 「藤井かすみのよもやま話・第1回=ツアープロの生活1」

 ツアー通算10勝を挙げている藤井かすみプロ(47)の新連載がスタート。女子ツアーの舞台裏を、自身の経験も交えながら明かしてくれます。第1回は日本各地を転戦するツアープロの生活に迫ります。

 今、女子ツアーはすごく盛り上がっています。近年は毎年のように試合数が増えて、今季は全37試合。3月の開幕戦から11月の最終戦まで、ほぼ毎週、試合が行われており、選手は日本全国を飛び回っています。

 3日間大会を例に挙げると、選手はだいたい火曜日にコース入りし、火、水と2日間練習ラウンド。木曜のプロアマ戦を経て、金曜の第1ラウンドに臨みます。長くツアー生活をしていると、毎年同じ場所で行われている大会ではコースの特徴はほぼ頭に入っているので、私は練習ラウンドはほとんどしませんでしたけどね。

 試合では、選手は遅くともスタートの3時間前には起床して、2時間前にコース入り。食事→ストレッチ→打球練習場→アプローチ、パターの順に行い、スタートに備えます。

 だから、プロゴルファーは総じて早起きなんです。でも、私はとにかく朝が苦手で眠くて眠くてしょうがなかったので、とにかく初日から頑張って、2日目、3日目は遅いスタート時間にしようということしか考えてなかった(笑)。

 そういえば、プロ1年目にはこんな大失敗も経験しました。95年にプロになって初めての試合のことです。下部ツアーの「MATSUKYUカップ」(2日間大会)で、私は初日、単独首位に立ちました。その夜、同期の子たちとしこたま飲んで、そのままホテルに戻ると着替えもせずにバタンキュー。翌朝、同期からの電話で目を覚ましたのが、なんとスタート時間の1時間前です。

 「やばい!!」。ベッドから跳ね起きるとコースまで車で約40分の道のりをすっ飛ばし、なんとかギリギリでスタートに間に合いました。しかし、試合の方は逆転されて2位。デビュー戦での優勝はなりませんでした。

 初めての試合でとんでもないことをしでかすところでしたが、これが教訓になって、それ以降、トーナメント中にお酒は飲んでません(もちろん休みの日は飲みますけど)。今の若い子もほとんど飲まないんじゃないですか。お酒もそうですが、食事にもかなり神経を使っていて、私は脂っこいものは一切食べませんでしたね。焼き肉やラーメンなんてもってのほか。こんなおいしいものも我慢してまで、ゴルフに懸けていたんです。この続きはまた来週に。(プロゴルファー)

 ◆藤井かすみ(ふじい・かすみ) 1967年11月30日、山口県岩国市出身。広島・安田女子高時代からソフトボール選手としてならし、東京女子体育短大時代は全日本大学選手権で優勝し、日本代表にも選出。23歳からゴルフを始め、95年にプロテスト合格。01年ベルーナレディースで初優勝を飾り、ツアー通算10勝をマーク。師匠は岡本綾子。夫は競輪選手の高橋健太。現在は兵庫・マスターズゴルフアカデミーでジュニアらを指導。162センチ、64キロ。

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