先場所まわし盗難被害の幕下・寺沢が無傷6連勝 新まわしも「体になじんでます」
「大相撲秋場所・11日目」(23日、両国国技館)
7月場所中にまわしの盗難被害に遭った幕下の寺沢(高砂)が玉金剛(片男波)との全勝対決を制し、自身初の無傷6連勝に伸ばした。低い立ち合いから、張って当たって出足一気に仕留めた。
「狙った通りにいけて良かった。立ち合い、踏み込みが先場所よりいい攻めて体が動いている」と、納得顔で振り返った。
まわしと一緒に7歳時に死んだペットのうさぎ「ラルキー」の遺骨の入ったお守りも盗まれた。先場所は「動揺した」と3勝4敗と負け越した。「お守りだけでも返してほしい」と訴えたが、戻ってはこなかった。
先場所後、「だいぶ考えて整理できた」と何とかショックを振り切り、今場所は新たな気持ちで戦っている。「ラルキー」とは「心の中で一緒に戦っている」とうなずいた。
勝利後、土俵の上で新しいまわしをパンと2度たたいた。「一緒に戦ってきて、ありがとうって感じで。もう汗がしみて体になじんでます」と、新相棒と、番付を上がるのみ。
付け人を務める兄弟子の大関朝乃山も初日から3連敗後、7連勝と復調し、部屋の雰囲気もいい。大関からは「ああ、優勝かあ」と、冗談めかしプレッシャーをかけられている。場所前、申し合い稽古で鍛えてくれた恩返しのためにも優勝したいところ。「次当たる相手は自分より番付が上。挑戦者の気持ちでいく」と意気込んだ。



