7月場所は観客入れ開催 上限2500人 年配ファン層も…理事長「備えてきた」

 「大相撲7月場所」(19日初日・両国国技館)

 日本相撲協会は13日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き4カ月ぶりの本場所となる7月場所は観客を入れて開催すると決定した。動員上限を1日2500人とし、力士との接触禁止、大きな声援の自粛を求めた。感染予防のガイドラインも発表し、力士は支度部屋でマスクを着けて準備運動することが義務付けられた。名古屋から会場を移した7月場所に続き、例年は九州で行う11月場所も東京・両国国技館へ変更。冬巡業の中止も決まった。

 4カ月ぶり、ついに7月場所の開催が決まった。2500人の上限ながら半年ぶり観客の前で相撲を取る。

 電話取材に応じた新大関朝乃山(26)=高砂=は「1人でもお客さんが入ってくれると僕らもうれしい。春場所は無観客で寂しかったので。改めてお客さんの声援が一番大事」と声を弾ませた。

 無観客の春場所を制した東正位横綱白鵬(35)=宮城野=は「横綱として存在感を示さないといけない」と、責任感をにじませた。

 春場所後、角界もコロナ禍に見舞われた。感染した三段目の勝武士さんが亡くなり、師匠の高田川親方(元関脇安芸乃島)ら複数の感染者が出た。協会は不要の外出を禁止するなど、感染予防を徹底。協会員ら約1000人が感染歴を調べる抗体検査を受け不安を解消した。

 八角理事長(元横綱北勝海)は「力士たちは3カ月半、厳しい外出規制や感染予防策を忠実に守り、備えてきた。ファンの皆さまのご期待に添った、迫力ある土俵をお見せできる」と約束した。

 33ページものガイドラインは観客、力士も含め詳細にまとめられた。春場所では1人でも感染者が出れば中止だったが、今場所は違う。芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「感染者が出ても、出た状況を踏まえて部屋を封鎖するのか、支度部屋もソーシャルディスタンスとか。1人出たら中止ではない。万が一、感染が起きた時も含めてガイドラインを作っている」と説明した。

 歴史上、前例のない場所になる。支度部屋は力士と力士の間がアクリル板で仕切られる。本番前のすり足、踏み込みなど準備運動はマスク着用。場所前の出稽古も解禁は見送られ、初日を“ぶっつけ本番”で迎える。

 朝乃山は「(マスクで準備運動は)すごいやりづらそうですけれど、しっかりマスクを着用して本場所に臨みたい。言い訳はできない。一日も早く慣れて本場所で戦えるように」と意気込んだ。

 白鵬は「出稽古がないまま始まるのは初めてだけど一生懸命やるしかない。(マスク着用は)初めてだから稽古場で着けてやってみよう」と、テストを入念に行う考えを示した。

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