大栄翔、豪栄道止めた!高安に続いて大関連破 埼玉栄先輩に恩返し「自信になる」

 「大相撲春場所・6日目」(15日、エディオンアリーナ大阪)

 平幕大栄翔が埼玉栄高の先輩で全勝だった大関豪栄道を押し出して、3勝目(3敗)を挙げた。自己最高位の東前頭2枚目で成長を見せ、高安、豪栄道の2大関と先場所優勝の関脇玉鷲と上位食い。7日目、大関とりに挑んでいる関脇貴景勝の撃破も目指す。豪栄道は初日からの連勝が5で止まった。横綱白鵬が錦木を寄り切って無傷6連勝。全勝は白鵬、平幕逸ノ城の2人となった。

 館内に悲鳴とため息が響いた。大栄翔がご当所Vを狙い全勝街道をひた走っていた豪栄道をストップ。荒れる春場所を演出した。

 磨き上げた突き押しで真っ向勝負。右を差されそうになると突き放した。一歩も引かない。1発、2発、前に出る圧力が大関を後退させた。そのまま押し出し、自身も勢い余って、横転した。

 「差されたらダメ。突き放した。うれしい。自信になる」と喜びをかみしめた。2日目に玉鷲、3日目に高安と連破。3、4日目の白鵬、鶴竜との横綱戦も好内容だった。「自分の相撲を取っていけばと思った。前に出たのが収穫」と確かな成長の手応えがある。

 17年夏場所、東前頭3枚目で初の大関、横綱総当たりは初日から8連敗。同じく東前頭3枚目の昨年夏場所も初日から6連敗。上位の壁に阻まれ続けた。

 自己最高位で“3度目の正直”。「最初より慣れて自分のペースで取れるようになった」。2大関、先場所Vの関脇撃破で3勝3敗の五分は上々。次世代ホープの出世争いにも食い込んできた。

 名門・埼玉栄高出身で存在感もアピール。「豪栄道関にあこがれて僕は(埼玉)栄に入った。自分もそういう見本になれるように。新弟子もまた入ってきてるから」。目標の大先輩を破って“栄魂”を刻む日となった。

 7日目も腕をぶす。同校後輩ながら大関とりまっしぐらの貴景勝に挑む。「刺激し合っている。勝負なので思い切りやる」。前日は焼き肉、場所前にはすっぽんを食べて精を付けた。ナニワにさらなる春の嵐を吹き荒らす気は満々だ。

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