「白鵬杯」長男・真羽人くん3度目出場で初勝利 力士のDNA全開
小、中学生の国際親善相撲大会「白鵬杯」が12日、東京・両国国技館で行われ、主催者である横綱白鵬(32)=宮城野=の長男で小学3年生の和田真羽人(まはと)くん(9)が大会3度目出場で初めて勝利した。
小1、2年はともに初戦敗退。この1年、自宅では四股、すり足や白鵬相手に押す稽古を行った。毎年8月には宮城野部屋の滋賀・長浜合宿にも参加。身長136センチ、体重30キロと細身ながら、小学校で行われた3年生の相撲大会では優勝するなど地力を付けた。
「自信があるそうなので」と期待する父が見守る前で、力士のDNAが全開になった。
小3のトーナメント初戦の2回戦。相手は身長125センチ、体重25キロの立石光紀くん。素早い立ち合いで走ると、左上手をつかんだ。そのまま豪快に投げ飛ばした。
「うれしかった。2年間、勝てず、戦略とか(考えた)。稽古?つらくはなかった」と笑顔。1、2年時は負けて泣いただけに「勝つのは(相手が)かわいそうな気持ち。僕に負けた相手が泣くから」と勝って複雑な気持ちにもなった。
続く3回戦は身長139センチ、体重59キロの鈴木悠斗くんが相手。立ち合い、怖がらず踏み込んだが、体格が違いすぎた。力強い押しを何度も食らい、たまらず土俵を割った。
「相手が大きくプレッシャーがあった」と、振り返った。敗戦後は父のもとに駆け寄り、言葉をかわした。父に関し「すごい人」と尊敬してやまない。
来年はさらなる好成績を残すつもり。「やせてる人、大きい人、小さい人、そういうのを分かって戦略を考える。勝負は当たりで決まる。そこを磨きたい」とどん欲に話した。