錦織、クレーコート初V!ツアー5勝目

 「バルセロナ・オープン・男子シングルス決勝」(27日、バルセロナ)

 錦織圭(24)=日清食品=が今季2度目、通算5度目のツアー優勝を果たした。

 左股関節の故障から約1カ月ぶりに復帰し、決勝でノーシードの伏兵、サンティアゴ・ヒラルド(コロンビア)に快勝した。優勝賞金は42万2100ユーロ(約5960万円)。錦織は赤土のクレーコートの大会では初のタイトル獲得で、同じクレーで開催される四大大会の全仏オープン(5月25日開幕・パリ)に弾みをつけた。

 苦手意識があったクレーコートで快挙を成し遂げた。錦織はヒラルドの返球がネットにかかると、ガッツポーズを繰り返し「伝統ある欧州の地で、自分が強くなっていると感じられた」と抑えていた感情を解き放った。表彰式でアジア勢初となる優勝杯を掲げ「すごく重かったのが印象的」と感慨に浸った。

 第1セットで0‐2となったが、観客をうならせる絶妙なドロップショットで流れを変えた。相手の跳ねる打球に揺さぶられ「予想以上のしぶとさで焦りを感じた」と言うが、「後ろにいたので(前に落とす)ドロップが有効だと狙った」と慌てなかった。緩急を織り交ぜて第3ゲームをブレークし、勢いに乗った。

 体力強化で「ぶれない体と持久力」を身につけ球足の遅い赤土で試されるラリーの粘り強さと冷静さも見せ、3回戦から4試合連続ストレート勝ち。赤土の全仏元王者のマイケル・チャン氏をコーチに迎え「サーブとフォアの技術を鍛え直した」と成果を強調した。

 世界1位の地元ナダルが8度優勝しているスペイン伝統の舞台で「歴史を変えるのは不思議な気分」と笑った。大会終了後発表の世界ランキングは17位から12位に上昇。日本のエースが夢の世界トップ10に向け、大きな壁を突破した。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス